今回の首相の北大西洋理事会(NAC))出席の露払いでしょう。
 すでに昨年5月、私たちが連休に浮かれている間に麻生外務大臣が同理事会で演説をしたのは、「新たな安全環境における日本とNATO」です。

 この中では次のことがいわれています。

 2001年9月11日以降の世界では、いつ、どこで新たな脅威が現れるのか、予見は難しい。
 アジアでは、北朝鮮・台湾問題のような冷戦構造がまだ残っている。
 台頭する中国の軍備増強からも目が離せない。
 2002年のインドネシア、バリでの自爆テロのように、テロリストの攻撃は国境に関係なく、いつ、どこでも起こりうる。
 アジアでは、テロリズム、海賊、人身売買、麻薬密輸、大量破壊兵器の拡散党に対してASEAN地域フォーラム(ARF)のような共同戦線の動きも出てきている。

新しい脅威に見舞われる前に、私たち皆が行動しなければならない。

 この認識の下で日本はNATOの重要性を再発見した。NATOにも日本の重要性を再発見してもらいたい。 そして、

・アラビア海では、日本の補給艦と護衛艦が、NATO加盟国海軍のため待機している。
・アフガニスタンでは、旧国軍兵士の武装・動員解除を行って、市民社会の中に戻している。
・イラクでは、オランダ・英国・オーストラリアと協力して人道復興支援、道路の補修、医療サービスの提供をしている。
・ゴラン高原では、カナダ、ポーランド、スロバキアといったNATO加盟国と協力してPKO活動に従事している。 (←ゴラン高原にまでいっているとは、知りませんでした)。
・パキスタンの大地震後、NATO即応部隊の近くで救援活動をした。

 駐アフガニスタン大使のNAC訪問、海上自衛隊潜水艦作戦の専門家のNATO潜水艦救難作業部会の会合参加、NAC事務総長の訪日、自衛隊統幕議長のNATO本部があるブリュッセル訪問、外務副大臣・外務事務次官のNATO訪問、そして麻生外務大臣のNAC訪問と、共同歩調や交流実績を積み上げてきた(← いつもの手段。既成事実を積み上げていく)ことを述べ、

「今後、日本とNATOとが相互理解を継続的に深めていけば、最後には、政策協調のみならず、オペレーショナルな面においてもどのような協力が可能かを見つけるであろうと私は確信しています。

 皆様、共に第一歩を踏み出し、前に進みましょう」

という言葉で締めくくられています。

 NATOへの熱いラブコールのような文面ですが、「オペレーショナルな面operational areas」というカタカナ語ではピンとこないかもしれませんね。これは軍事面のことを指します。


昨年11月、NATO首脳会議後に発表されたリガ宣言にいわれた「われわれの利益と価値を共有する連絡国(コンタクト・カントリーズ)を含む非NATO諸国との関係において、作戦上の連携を増大させていく」の中にある「作戦上の連携」という語が、この「オペレーショナルな面での協力」に対応し、軍事作戦上の連携を指しているのだと思います。

 これを天木直人さんは、

米国の「テロとの戦い」への犠牲をNATO加盟国だけで負担するのは困難になってきたので、NATO以外の米国の従属国にも負担させろということだ

と断言されています。

 久間氏は、防衛省・防衛大臣誕生で破顔一笑だるまに目を入れる


 首相は自衛隊員の閲兵を受け、胸の高まりを抑えられないでしょう。

 こうした光景を見ると、どうしても、一昔前の兵隊さんごっこに興じる少年を連想してしまいます。それとも、おもちゃの兵隊をずらーっと並べてその布陣を考える戦争ごっこが好きな少年かな。

 しかし現実はおもちゃの兵隊ごっこではなく、『ロードオブウォー』に描かれた世界でしょう。

ロードオブウォー

 主人公の武器商人が1年間で取り扱う銃を、米国大統領は1日で売ってしまう。冷戦後の(冷戦前も)各地の紛争に使用される武器はすべて、米・仏・英・露・中という国連安保理常任理事国でつくられている、というのが本当の話でしょう。