先日、コメントで教えていただいた九段下会議。 伊藤哲夫(日本政策研究センター所長) 遠藤浩一(拓殖大学客員教授) 志方俊之(帝京大学教授) 中西輝政(京都大学教授) 西尾幹二(電気通信大学名誉教授) 八木秀次(高崎経済大学助教授) といった諸氏が名を連ねていますが、2005年8月の時点では、九段下会議議員団代表は、衛藤晟一氏、事務局長が城内実氏です。なるほどなあ、こういうところで活動しているのだなあと、妙に納得。 衛藤晟一といえば、10対7の票決で復党が決まった2005年の衆院選で落選した人。この人の復党決定で安部首相は、民主主義に則り復党が決まって良かった、というようなコメントを発していましたね。 こうした詭弁的日本語の使い方は以前も見られましたが、コイズミ以降目立ってひどくなりました。 これを『月刊現代』4月号の巻頭言「日本礼賛」で辺見庸氏は次のように述べています。1部引用します。 戦後日本が最も進化・興隆せしめたのは、経済や軍事をのぞけば、「新語法」と「新思考法」であるという見方が永年の友好国オセアニアではつとに定着しており、最近では同国をはるかに凌駕しているのではないかという評価がもっぱらである。とりわけ瞠目しているのは、日本がオセアニアから導入した二重思考法を鋭意浸透、発展させ、一人の人間が相反する二つの信条を同時に持つことができるという、オセアニアの誇る思想を三重思考ないし多重思考に高め、ついにはめでたく無思考の水準まで揚棄しえたことだ。 (以上) 話題を元に戻しますと、この九段下会議には、日本の右派の錚々とした顔ぶれが揃っています。 西尾幹二氏は2004年に「国家解体阻止宣言」なるものを2月初旬に『Voice』3月号に掲示したようです。 穏やかならぬタイトルですが、その内容は以下の通り。 ※※※ 国家解体阻止宣言 ※※※ 「平成の革命勢力」を打ち砕いて日本の大本を改めよ ≪≪≪ 九段下会議 ≫≫≫ 伊藤哲夫(日本政策研究センター所長) 遠藤浩一(拓殖大学客員教授) 志方俊之(帝京大学教授) 中西輝政(京都大学教授) 西尾幹二(電気通信大学名誉教授) 八木秀次(高崎経済大学助教授) ***** 緊急政策提言 ***** 国家基本政策 ////////////////// 1 憲法改正はまず9条2項の削除を 2 歴史認識の見直しは「村山首相談話」の撤廃から 3 8月15日の首相靖国神社参拝を慣例化せよ 4 国産技術の防衛と育成に国家戦略を 5 政府審議会から左翼リベラル勢力を一掃せよ 外交政策 /////////////////////// 1 対北朝鮮経済制裁の即時断行を 2 朝鮮半島の「中国化」を阻止する対中政策を確立せよ 3 インド・ASEAN・台湾重視へ対アジア外交政策を転換せよ 4 対米依存心理から脱却した日米関係の再構築を 5 竹島・尖閣をめぐる日本側主張を国の内外に向け鮮明にせよ 防衛政策 //////////////////////// 1 専守防衛体制から「防衛の開国」へ A 敵ミサイル基地への攻撃を含めた対ミサイル防衛態勢の整備 B 自衛隊による「領域警備体制」の確立 C 自衛隊武器使用基準の見直し D 自立的な情報機関の確立 2 集団的自衛権の行使の意志確立を 教育政策 //////////////////////// 1 教育基本法の改正は愛国心書き込みだけに留めるな 2 教育責任の不在を生む「教育委員会制度」を廃止せよ 3 ゆとり教育は「見直し」ではなく「全廃」へ 4 国語教育の総点検を 5 教科書問題は「教科書法」制定から 6 「子供の権利条約」の弊害是正を 7 文部科学省の「日教組化」を阻止せよ 社会政策 ///////////////////////// 1一連の「家族つぶし政策」を見直せ A夫婦別姓の阻止 B少子化対策の見直し C税制・年金における改悪の再検討 2ジェンダーフリー政策の駆逐を A男女共同参画基本法の廃止 B過激な性教育の一掃 C男女共同参画の予算の大幅削減 3ヒステリカルな政教分離要求にまどわされぬ伝統・慣習の擁護政策を (以上) この宣言がなされてから丸3年。 どの項目が実現されて、これからはどの項目が焦点になっていくのかもよくわかりますね。こうしたヒステリカルな主張の中にはすでに実現されてものがあることに背筋が寒くなるのを覚えませんか。実現されたり、声高に、キイキイ叫ばれていたり。特に社会政策にはカルトキリストの幕屋等の新興宗教団体のニオイがぷんぷんしています。 憲法改正はまず9条2項の削除を、と最初に謳っているところを見ると、「9条2項の削除」は単なる突破口に過ぎず、九段下会議・日本会議勢力はさらなる改憲を狙っているのでしょうね。 外からはアメリカの「年次改革要望書」、内からはこの宣言。 このふたつの圧力があり、内閣・行政はこの狭間で右往左往しているのでしょうが、防衛政策のように共有されている部分や互いに利害関係が相反しない部分、つまり親米部分はより実現が簡単で、実行されているものもあります。 ただし、この後「つくる会」の内紛等で西尾氏、八木氏らは決裂していろいろ怪文書も乱れ飛んだようですから、九段下会議がその後どうなったのかは私も分かりませんし、調べる気にもなりません。 でも、たとえ会を構成するメンバーが仲違いしたとか、離合集散をくり返したとしても、一人ひとりのメンバーの考えが変わるわけではありませんし、この種のグループに共通して流れる通奏低音ともいうべき「天皇を中心とした神の国をつくろう」という考えは一致しています。
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