27日の森田実さんの講演会、質疑応答の最後の方で発言されていた若い女性は、とくらブログによると岩国市議の方だったようです。
懸命に岩国の窮状を訴える姿が印象に残りました。
政権は、札束で頬を叩くように、言うことを利く自治体にはふんだんに交付金を与え、国の意に沿わない自治体には平気で補助金カットをしています。
竹中・コイズミ路線が推進した三位一体改革とは、
〈1〉国から地方自治体への補助金を減らす
〈2〉その代わりに、税源(税金を受け取る権利を国から地 方に移す
〈3〉足りないお金を穴うめするため国が地方に配る地方交付税を見直す
――という 3つの改革を同時に進めることで2004年にスタートしました。
ちなみに交付金と補助金の違いを見ますと、
交付金とは、道路建設や公園整備などの複数の補助金をひとまとめにしたもので、2004年に新設された交付金のひとつには「まちづくり交付金」などというものもあります。国への補助金申請作業が簡素化されたほか、これまでは補助対象にならなかった調査などソフト面にも使えるようになったとか。
よかったねー、といいたいところですが、それは一応表向きの言い分。
国全体を見ると、税金の4割は地方の取り分になりますが、行政サービスをするためには地方自治体の多くがこれだけでは足りません。地方自治体の予算の合計のうち税収でまかなえるのは3割という話しです。
そんな自治体に国が配るのが交付金や補助金ですが、自治体が自由に使えるものを「地方交付税」、国が使い道を細かく決めているものが「補助金」です。
そこで国、つまり各省庁は批判の的になっていた補助金を減らしましょう、と言って次々に「なんとか交付金」を創設したのですが、結局「改革詐欺」の結果になっているようです。
三位一体改革で、補助金約20兆円のうち4兆円を04年から06年までの3年で減らし、地方交付税も減らされました。ところが移った税源は減額分の半分に過ぎなかった、と森田さんが指摘されるわけです。
そして補助金アメとムチ政策でムチをふるわれているところが、ちょうど1年前の住民投票で米軍再編による空母艦載機の岩国移転にNO!を突きつけた岩国市です。
再編が進めば、岩国市には重い負担がのしかかります。基地を発着する米軍機の数は今の57機から一気に120機に倍増。その規模は極東最大級の嘉手納飛行場に匹敵。これに住民の90%が、いやだ! と言ったのです。
さて、今岩国では05年に着工した新市庁舎の建設が進められています。総工費81億円のうち防衛施設庁より約束されていた補助金はその6割にあたる49億円。
96年の沖縄の基地縮小にからむ日米特別行動委員会(SACO)合意により前市長が普天間飛行場の空中給油機を受け入れた見返りとして受けるものです。
ところが昨年12月、井原勝介市長は、この補助金の打ち切りを通告されました。
住民投票から1年たった3月12日、井原市長は「いまだに安全・安心が担保されておらず、住民に根強い不安がある」と説明しています。
3月22日には市議会の公明党議員団(4人)が「事実上の容認」とする決議案を市議会に諮るよう提案して、結局23日、市議会で移駐を事実上容認する決議がなされることに。
26日には艦載機移駐問題で市議会は国の担当者の説明を聞いています。
そこで国が提示したのが、新庁舎建設への補助金や、米軍再編で負担が増える自治体への新たな交付金です。
なんともやりきれない話しです。
私自身、父の転勤で1時期岩国にも住み、あの激しい米軍機の爆音を経験しています。ちょうどベトナム戦争のさなかのことです。基地の町の問題はもちろん、この爆音だけではありません。
それにしても思うこと。住民の生活を守ることと国の安全を守ることが矛盾するなんて、どこかおかしいのではないでしょうか。
住民の生活、いってみれば国民の生活を守れない国が、「この国を守る決意」なんていえるのでしょうか。
それとも一部の国民が犠牲になれば、その他の国民は安全なのだ、といえるのでしょうか。
岩国の基地から、そして日本各地の基地から飛び立った米軍機は、どこに行って何をしているのでしょうか。
もう、いい加減にしてくれないか、とうめきにも似たつぶやきが聞こえてくるようです。
米軍再編に関係する自治体は全国で66。そのうち20自治体が今も新たな負担の受け入れを拒んでいるとか。
一方政府は、自治体への「アメ」として2月9日、米軍再編事業の進み具合に応じて自治体への交付金を段階的に上積みする「再編交付金」制度を盛り込んだ法案を国会に提出しました。
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