都知事の続投が決まった石原氏は東京五輪招致に強気の構えらしい。
何が何でもオリンピック、というと、ついこの間の何が何でも常任理事国入りの騒動を思い出します。あれからまだ2年も経っていません。
2005年8月7日付の中央日報はこの時の日本側の思惑が失敗に帰したことで、「日本国内では、外交力量を総集結して推進してきた安保理進出戦略に対する批判論が激しく提起されている」と述べていますが、思わず、えっ、そんなに批判論が激しかったかな? と当時のことをふり返ってみました。
批判論もあるにはあったけれど、すぐ下火になったよなあ、と思うのですが、どうだったでしょうか。
もともと一般の関心は低かったのですが、私などは、なぜそんなに政府が常任理事国入りしたいのか、 理解できませんでした。
その後、例の郵政民営化をめぐるけたたましくも理不尽な衆院解散があり選挙戦に突入。
まさに国連の常任理事国入り問題などは霧の如く、あとかたもなく消えてしまったのです。
思い出すだけで苦々しさを覚えるあの9.11選挙は、外務省が総力を挙げて取り組んだ常任理事国入り支持取り付けの失敗も、うやむやの内に忘れさせてくれたわけです。これが意図されたものか、単なる郵政民営化騒動の副次的効果なのかは定かではありませんが。
で、この安保理入り騒動の時にまことしやかに伝えられ、ネットで猛威をふるった意見が、
国連分担金をめぐるものであったのは、覚えておいでの方も多いのではないでしょうか。
日本は国連の全予算の19.9%に及ぶ負担金を滞りなく支払っているが、米国、イギリス、ロシアは何年も滞納している。もっと日本は強い権限持つべきだ。毅然とした態度で臨め等々、いさましい意見が散見されました。
ところがところが、『日本の外交は国民に何を隠しているか』(河辺一郎著)を読んで、そもそも「この負担金を滞りなく支払っている」という主張がまったく事実と異なること、早くいえば間違いだということを知りました。
これについては新聞記事も誤りであり、さらには川口順子外相(当時)が2003年に国会で答弁した「国連の分担金を誠実に、米国と違って誠実に払い続けて いるから我が国が国連の中で信頼を得ていろいろなことができている」という認識まで間違っていたというのですから、開いた口がふさがらないとはこのことで しょう。
日本が期日中に分担金を完納することはなく、90年代以降で見ると平均して6ヵ月滞納している。米国を除くと先進国では群を抜いて遅い。特に2003年にはようやく翌年3月に完納しており、実に14ヵ月の滞納だった。
と、河辺氏はいう。
「誠実に」という語を繰り返し使って支払っていることを強調した外相の時は、1年以上もの遅れだったというのです!
ロシアでさえ、1999年以降は滞納せずに1月中に拠出しているというのに。
さらに分担金をめぐる言説はさらにエスカレートして、与党から野党まで、分担金を減らせ、とか、19.5%も払うことない、といった主張がおおっぴらに語られるようになりました。
この滞納ですが、どうも意図的に行われているらしい、というより「確信犯だ」と河辺氏は述べています。
2005年は4月中の完納でしたが、これは前年秋に常任理事国入りのための工作を活発化させてから初めての拠出で、当時9回目の常任理事国を務める中での出来事だったとか。
なぜわざわざ、そんなことをするのか、というと、2003年5月の国会での佐藤行雄前国連大使の言、「国連の予算……これについて国連総会が決めていく。 ここでは、率直に申しまして、日本の発言権は大変大きい」「予算面で日本とアメリカが非常に大きな力を持っております」「8年間にわたって国連の予算をゼ ロ成長にした。これは、日本とアメリカが中心的な役割を果たして主張し」たというように、どうも圧力をかけるためのようです。
そして問題の2003年、つまりこれまで最長級14ヵ月にわたる滞納のあったこの年は、国会で国連改革を求める声が上がった年で、これがまた米英によるイラク戦突入と連動しているということ。
特に米英のイラク爆撃の前後で、冬柴・高野・丸谷といった公明党議員が「国連あるいは安保理改革」を主張しているとか。
ここでもまた「改革」か、と食傷気味の私は思ってしまいます。
昨日11日、中国の温家宝首相が来日して、「戦略的互恵関係」を具体化するためにハイレベルの経済対話を始める、とNHKが伝えています。
アベ首相が「戦略的互恵関係の構築に向けて大きく前進したい」と述べたとか。
「戦略的」といえば、今年1月の訪英でいわれた、イギリスと日本は「戦略的パートナー」を想い出します。
ふむふむ、戦略に基づいて外交を行っているわけか。
じゃあ、国民に嘘をついたり、さらには著書で「米国やロシアなど大国でも、ろくろく払っていません。これはとんでもないことです」と、当時模範的に分担金 を拠出していたロシアを名誉棄損するような言説まで披露する元外務大臣政務官がいたりするのも、戦略的外交の一環なんでしょうか。
思えば30年後の米国の文書公開で明らかになった沖縄復帰の際の密約でも、国会ではひたすら否定するばかりですし。
なんだか私たちは自国の政府に嘘つかれっぱなしですね。
憲法問題でも、国民投票法案に関しても、隠してごまかして、またまた嘘つかれているのではないかな? と自国の政府を疑いたくなるのも当たり前です。
アベ総理は憲法を書き直すと従来から言い、今日の憲法特別調査委員会で船田氏は広範に国民の意見を求めるといってます。
何を隠しているんでしょうね。
委員会の最後は急用で中継を見れませんでした。与党単独で、採決を強行したのですね。
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