さて、昨日の米国議会調査局の「日本軍の『慰安婦』システム」の結論部分の全訳をお読みいただけたでしょうか。
「米国議会に、慰安婦問題はどう報告されたか」とあわせてこれを読むと、sankeiweb12日付小森義久記者の「『組織的強制徴用なし』 慰安婦問題 米議会調査局が報告書」の記事のおかしさが、少しはお分かりいただけると思います。
「い わゆる慰安婦問題の主要争点とされる「日本軍による女性の強制徴用」について同報告書は「日本軍はおそらくほとんどの徴募を直接に実行はしなかっただろ う。とくに朝鮮半島ではそうだった」と述べ、いま下院に提出されている慰安婦問題での日本糾弾の決議案が「日本軍による20万人女性の性の奴隷化」という 表現で非難する日本軍による組織的、政策的な強制徴用はなかったという趣旨の見解を示した」
という古森記者の文面はあきらかに報告書とは異なっています。
「日本軍による女性の強制徴用」を主要争点にしたのは、アベ首相や「日本の前途と歴史教育を考える議員の会」以下の方々であって、 報告書の方は次のように明言しています。
結局、これまでの慰安婦システムに関する日本での、また日本と外国との間での議論の中心になったのは次の3点であった。
1.日本軍と日本政府の関与の程度
2.慰安婦徴募・輸送に日本軍の関与があったかどうか
3.慰安婦システムの中に連れてこられた女性たちが、自由意思で売春に従事したか、それとも不本意ながらせざるを得なかったか。
(以上)
くり返しますが、米国議会調査局の報告書では、「日本軍による女性の強制徴用」が主要争点とは言ってません。
むしろ、「2007年の慰安婦徴募における強制をめぐる議論は、慰安婦たちは同システムの中で自由意思に基づいて売春をしたのか、不本意ながらせざるを得なかったのか、というより大きな問題を覆い隠してしまった」と述べているわけです。
こうなってくると、「印象操作」どころかねつ造疑惑さえ生じてきます。
その他、このSankeiの記事については、疑問に思うことしきりです。
アベ首相の言葉自体が1951年のサンフランシスコ平和条約第11条に違反している可能性を指摘されていること、ワシントンポストの社説「アベの2枚舌」にまで言及されていることにひと言も触れずに「組織的強制徴用なし」ですか!
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