アベ内閣は重要政策と人気取り政策を使い分け、この二つは同時進行中。
昨年の防衛庁省昇格・教育基本法改悪に続いて、現在も憲法改悪の 手続きを定める国民投票法案、教育関連法案、社会保険庁改革法案など、たてつづけに成立を強行しそうですし、公務員改革と称して、「あっせん禁止を柱とし た公務員制度改革関連法案は24日、与党や中央省庁の抵抗を受けながらも安倍晋三首相の強い意向で閣議決定にこぎつけた」と伝えられています(4月25日毎日)。
そして発足以降下がり続けていた支持率が上昇して、さらには3ヵ月ぶりに支持が不支持を上まわり、「政府・与党は夏の参院選に向けた『反転攻勢』の足がか りを得たと受け止めている。首相の指導力や政策への期待も高まっており、政権運営に一定の追い風となるとみられる」という声まで出る始末。
AFPには外交や積極的な国内の地方視察などにより「顔が見える」ようになったことが評価されたとあります。
でも、外交の成果が分かるのはまだこれからでしょ。
大体、内と外で使い分けている舌のせいでいかにも成果を挙げたように見せかけている今度の訪米にも、美爾さんやとらちゃんの所でいろいろと疑問が投げかけられているというのに。
人気取り政策で見せている顔なんて信じちゃ駄目!
とどこかで怒っている声が聞こえます。
1泊2日の米国行きでは、拉致問題解決への協力を求めてどうにか格好をつけましたが、よくよく聞いてみれば、「変わらぬ支持の表明を確約」しても、大統領は北朝鮮に対するテロ支援国家指定解除に拉致問題を考慮する求めについては明言を避けた、といいます。
なんだか、かなり無理をして支持を取り付けた感じですね。
それに、
「変わらぬ支持の表明」って、なあに?
拉致問題を解決しようとする日本の努力を支持するということ?
で、どんな努力をアベ氏はしてきたの?
これまで米国の支持で、拉致問題に何か進展でもあった?
と、これまた、たたみかけるような怒りの声。
《国民的人気》を後ろ盾に首相の座に就いた人だけれど、自身が口にするのは《妖怪》にして祖父でもある岸信介のことばかり。
華氏さんによると、自民党が24日に開催した「新憲法制定推進の集い」では、「改憲は祖父の岸信介元首相が果たせなかった宿願だった。私たちの時代に宿題を果たさなければならない」とも述べたらしい。
おじいさんの果たせなかった夢を実現するために、一族の期待をになって首相になったことをうかがわせるような言動は、これまでもたびたびありました。
支持率が40%を超えるというのがほんとうならば、《名門》という砂糖衣にくるんで大衆の前に差し出された岸信介の孫の毒に気づかない国民が40%以上にのぼるということ。ちょっと信じがたいですね。
1987年に90歳で亡くなった岸を知る人は、もうあまりいないかもしれません。
かくいう私も岸が首相にあった頃はまだ子どもで、暴漢に襲われた写真が新聞に大きく載ったことや安保改定や国会批准時の怪異な容貌ぐらいしか頭に残っていません。で、概して世間は否定的な評価だったような印象があります。
それが、偶然見つけたサイトで「「日本を独立国としての矜持をもつ国家にしようとした宰相、大衆迎合主義に陥らなかった真の政治家」と紹介されていたのですから、びっくりしました。
が、以前から耳にしていたモラロジー研究所とかのセミナーで話されたというので、ちょっと納得。同時に日本会議に連なる団体として謎めいていたこの集団の中味を覗いたような気分です。
誰が日本を独立国としての矜持をもつ国家にしようとした宰相ですって!?
大衆迎合主義に陥らなかった真の政治家ですって!
孫も国民の迷惑を顧みずに自説・持論を言い立てて走り抜く覚悟のようですが、そのくせ大衆人気を獲得しようと、パフォーマンスに余念がないというのに。
といよいよもって怒りの声。
真の政治家として岸を紹介したのは、自由主義史観研究会理事上原卓氏。
元教員のこの人の本は、モラロジー研究所(広池学園事業部)から刊行されています。
広池学園とは正しくは学校法人廣池学園といい、幼稚園から大学までを擁した総合学園で、おまけにゴルフ場まで経営。
学校名は麗澤。「道徳科学『モラロジー』に基づく知徳一体の教育」を基本理念とする、と謳われています。学園のあゆみを見れば、昭和10年に道徳科学専攻塾としてスタートしたということで、モラロジー研究所の由来が分かります。
やっぱり、倫理とか道徳を言いつのるところには、なにやら危険な匂いが。
怖いもの見たさでサイトを覗いてしまいましたが、リンクはしません。そんな気にはなりません。『新しい私を育てる』なんて言われたら、逃げて帰ります。
「 豊かな時代なのに、充実感が持てない。人間関係や自己不信に悩んでいる…。自分にとって大切な価値を見つけるには…。実りのある人間関係を、自分から積極的に築き上げましょう」と囁いてくるのですから。
これが歴史修正主義を受け入れる心でしょうか。
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