6日、米通商代表部スーザン・シュワブ代表が、今秋に予定されている日本の郵政民営化について、「日本政府は公平な競争が促進されるように条件を整える必要がある」と述べ、「高度の透明性を確保し、市場への監視体制を整えねばならない」と語った、とAFPが伝えています。
いよいよですね。
それにしても、「高度の透明性」ですか……。
全然透明でない日本の政治に、経済だけ透明性を求めるとどうなるのだろうか?
というより、そもそも透明性を求めることが可能なのだろうか?
透明性を求めれば、正義が実現するのだろうか?
昨日のエントリー「新自由主義=新植民地主義の行き着く先 」に書いたナオミ・クラインさんの講演で言及されていた3社、ロッキード・マーチン社、ベクテル社、そしてブラックウォーター社の名前をみなさんはご存じだったでしょうか?
(maxさんのご指摘により、「ロックヒード・マーチンをロッキード・マーティンに訂正いたしました。maxさん、ありがとうございました)。
私が知っていたのはブラックウォーターだけでした。といっても、直前に読んだ菅原出さんの『外注される戦争』に代表的な民間軍事会社PMCとして登場したおかげで知ったに過ぎないのですが。
ロッキード・マーチン社は検索するとすぐに公式ページが分かりました。
ベクテル社の公式ページはすぐには分かりませんでした。Googleの検索でもなかなか出てきません。
で、とりあえずベクテル社に関する記事を覗いていくと、関西国際空港の建設に携わっています。
また、ここによると、羽田西側旅客ターミナルビル建設工事(1989年受注)、東京湾横断道路川崎人工島東工事(1991年受注)、アジア太平洋トレードセンター建設工事(1991年受注)等にも関わっていますが、東京湾横断道路川崎人工島緩衝工調査設計では日本企業との共同企業体の形はとらずに、コンサルタントとして単独で受注(1989年)しています。
もう18年前から日本にも触手を伸ばしていたわけです。
そしてこのベクトル社の評判の悪いこと、驚くばかり。
「巨利をむさぼる世界最大のゼネコン 『ベクテル』」にちょっと説明があります。
さらには小さな記事ですが、ベクテル社の行動がよく表れている1文がありました。
「ボリビア、コチャバン紛争~水道民営化を阻止した民衆運動」がそれです。
1990年末、ボリビア第三の都市コチャバンバが世界銀行に債務軽減と開発援助と引き換えに公営水道の民営化を迫られ、1999年にとうとう水供給会社がベクテル社の子会社『ロンドン国際水供給会社」に売却されたそうです。
このベクテルの子会社はその数週間後には大幅な料金の値上げを実施。
これに対してボリビアの人たちは大規模な抗議行動を開始。
そして、ベクテルの子会社は事業を撤退することになったとか。
このときボリビア政府は戒厳令をしき、数千人の兵士と警官を配備したということですが、どちらの味方だったのでしょうかね、ボリビア政府は?
ベクトル社は米国政府と太いパイプを持っていることで知られていますが、世界銀行とも繋がっていたわけです。って、こんなこと、世界の常識かもしれませんね。
こうしたベクトル社に代表されるようなむき出しの資本主義が猛威をふるい始めたら、私たちはこのボリビアの人たちのように抗議行動に立ち上げることができるでしょうか?
『国家そのものの露天掘り」とナオミ・クラインさんが表現したように、行政機能がどんどん民営化されて、水道事業まで儲け本位の企業に任される可能性も考えられるわけです。
他人への思いやりがない
人間関係を維持できない
他人への配慮に無関心
利益のために嘘を続ける
罪の意識がない
社会規範や法に従えない
というサイコパスの病理を、こうした企業群にあてはめて考えた映画ができたようです。
ザ・コーポレーションです。
『希望の国、日本』を書いた日経連の御手洗会長の目は、当然、海を越えて、このベクテル社を初めとする多国籍企業を見つめ、それを手本にしていることでしょう。
国際競争力をつける、世界に伍して戦う、つまり世界市場で競争するとは、そういうことでしょう。
108年前、日清戦争後の列強の餌食になる中国大陸を目の前にして米国務長官ジョン・ヘイが門戸開放宣言をしたように、経団連も世界に向けて門戸開放宣言をしているつもりかもしれません。
舞台は、日本はもちろんのこと、国境を越えて、海を越えて、さらなる利益を求めて。
ガン細胞が増殖するようにサイコパス企業が肥え太り、日本、そして世界を、地球を浸蝕していくなんて、下手なオカルトよりずっと怖い。
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* 気づくのが遅れましたが、これまで拍手と共にいろいろ激励のコメントをいただいております。
みなさま、ほんとうにありがとうございました。m(_ _)m
