前エントリー「命を大切にすることは、農業も大切にすること」でふれた、気になった新聞記事の二つ目。

 5日の毎日朝刊に掲載された第27代全国市長会会長に選ばれた秋田市長佐竹敬久さんの話しです。

 「陳情するサロンから 国と闘う政策集団に」

 という見出しで佐竹さんが、「現在の産業構造から生じる地方間税収格差について、是正論議を進めたい」といわれているところはさておき、

「道州制と突き詰めれば、国の省庁の権限削減につながる。実現のために、全国知事会とも連携して制度設計に携わりたい」

 という言葉に引っ掛かったのです。

 道州制がほんとうに国の省庁の権限につながるのでしょうか。
 またそれが、私たちの暮らしにどのような影響を与えるのでしょうか。

 実は私、道州制にははなはだ疑念を抱いております。

 なぜかというと、第1の理由が、アベ政権が推進しようとしていることだから。
 少々乱暴な理由付けかもしれませんが、これが結構当たります。

「平成の大合併」で地方自治体を編制し直した意義がどこにあるのか、まだ自分には分からないのが第2の理由。

 複数の自治体を一つにまとめる動機と結果は何だったのでしょうか。

 結果として地方から取り上げられた分の交付金・補助金はどうなったのでしょうか。

 家計を考えれば、支出項目の数を減らして複数の項目を一つにまとめるのは支出の絶対量を減らすためだと思います。
三位一体の改革」で、それまで地方に配られていたものが地方に行かずにどこか違うところで使われてしまったのではないかな、と考えているのですが、本当のところはどうでしょうか。

 まあ、あくまでもど素人の“勘”ですが。
 でも、実際地方に補助金・交付金として渡った金額は明らかに半減しているわけですから、「改革」を自称しながら、国は一石二鳥、三鳥の施策を行ったのではないかな、と疑っています。

 財政に困った自治体があれば、補助金・交付金の類で頬を叩いて中央政府の意見を押し通すこともできるし、というのはモーソーかもしれませんが、ほんとうだったりして……。

 道州論議は郵政民営化論議を彷彿とさせます。
 有権者・納税者の理解が進まないうちに、さも「良さそう」に宣伝されてその気にさせられてしまうような危うさを感じます。

1.「道」といえば北海道。
 他の都府県とは比較にならないほど広い北海道の自治の現状はどうなのか?
 道と中央政府・省庁との関係、道と道内の各自治体との関係はどうなっているのか?

2.「州」といえばアメリカ合衆国。
 アメリカの地方分権のありさまは有名ですが、歴史も気質も異なる日本で道州制にして、はたして地方自治が進むのか?

3.明治の廃藩置県はどのような意図で行われ、結果はどうだったのか。道州制と通じるところはないか?

4.都府県を廃して圧倒的に広い地域をカバーする地方行政府をつくると、当然その数自体が大幅に減り、その下に同レベルで多くの市や町が存在することになる。
 これはかえって地方自治が衰え中央集権化が進むことになるのではないか?

 等々疑問を持っています。
 まだまだ不勉強ですが、なにかがおかしいぞ、と直感するのです。

 道州制についての議論が深まらないうちに、どさくさ紛れにこの制度が一方的に導入されてはいけません。
 地方自治を私たちは大切にしたい。これは現在の地方自治をもっと良いものにしたいという願いを込めた上での気持ですが。