パキスタン、イスラマバードのモスクに籠城した神学生を武力で鎮圧して指導者ガジ師を殺したムシャラフ政権に、疑問どころかNO! を突きつけるように自爆テロが起こっていますね。
「テロリスト鎮圧・人質となった女子の救出」といった軍突入の口実も怪しい、嘘ではないか、と思われますし、政権内部でも、
「政府による米国支援は国民にとって幸せなことではない。過激派やテロリストが米国の政策の下で生まれているのだ」
という声(ハク宗教問題相)が出ているそうです。
現に、軍の強行突入の日、“テロとの戦い”の同盟国として生きる道を選んだパキスタンの現政権に、ご褒美として米国からF16戦闘機が届いたとか。
もともと90年に売買契約を結んでいたものが核開発疑惑で経済制裁を受けて反古になり、昨年に再契約が結ばれ、この結果になったようです。
なぜパキスタンにF16戦闘機がいるのだ? と考えても私には分かりません。
確かにおとなりのインドとは犬猿の仲で、カシミールの領有をめぐって争ったり(印パ戦争)核保有競争をして、インドに次いで世界で7番目の核保有国になったりはしましたが。
世界でいくつもの国が採用しているこうした戦闘機は、いったい何に使うのでしょうか。
パキスタンがF16を採用すればインドでは戦闘機126機の新規調達を正式決定したそうです。
双方で戦闘機を飛ばしあいっこしたら、いったいどうなってしまうのでしょ?
それとも床の間に飾るように見せあいっこしながら、牽制しあうのでしょうか?
ひとたび戦闘機が飛び立てば、さらにはそれが実際に戦闘の使われれば、エコバッグだ、省エネだ、といっているのが空しくなるほど燃料は消費するでしょうし、桁外れの環境破壊は生じるわけですし。
うーん、考えれば考えるほど分からなくなってくる……戦争ごっこが好きな男の子たちが己の戦力を自慢するだけのような気さえします。
で、一番確かなことは、ロッキードマーティン社のような戦闘機メーカーは、さぞ儲かるだろうな、ということですが。
元はといえば同じ英領インドで、それ以前に栄えたムガール帝国の豊かな遺産もそこかしこに存在しているというのに、田中宇さんは「生まれながらの不幸を抱えた国」と呼んでいます。そうした見方は彼ひとりではないようです。
国際政治の荒波の中で軍を使った強権政治を行って国の舵取りをせざるを得ない政権を、また不正蓄財で政権を担当してきた同国のエリート層を批判するのは簡単ですが、私たちの日本がそんなパキスタンを笑えるだろか?! と疑問に思うのは私だけでしょうか?
最近とみに、「日本はどこへ行くのだ?」と不安に思う声が大きくなってはいませんか?
それにごく普通の有権者が、政治家の利権漁り、政・財・官の手に手を取り合った錬金術・蓄財術を予想しています。ただ具体的な事例が把握できていないだけです。
どうせやってるよね、年金だってあの人たちが山分けして使ってしまったのよね、と見ています。
アフガニスタン→イラク→パキスタンと、米国がいわゆる“対テロ戦争”を叫べば叫ぶほど、“テロとの戦い”を推進すればするほど、テロが生まれ、テロに攪乱される世界が広がってくる現実を、私たちの国の政権はどう考えているのでしょうか。
参院選の争点は年金だ、格差だ、教育だ、といろいろ言われていますが、アベ氏が政権維持できるだけの議席確保ができたら、年金も格差も教育もその他もろもろの問題についても思い通りに強行していくのは目に見えていますね。
で、そうした問題と同等かそれ以上に重たい問題が、国際社会の中での日本の立ち位置ではないでしょうか。
ひたすら米国を頼みとしてその身を米国に委ねる一方で、軍国日本の行状を美化して蛮行はなかったこととすることで自らの誇りとアイデンティティを持とうとするおかしさ(この辺りは美しい壺日記さんがよく追求されていますね)。
敗戦から60年以上もたって、ついぞ日本は自らの立ち位置を確保できなかったのか、存在証明は米国という他国に預けてしまったのか、とため息が出そうにな るとき、「政府による米国支援は国民にとって幸せなことではない。過激派やテロリストが米国の政策の下で生まれているのだ」というパキスタン閣僚の言葉の 方が、アベ氏等日本の政権担当者よりよほど真実をついているというものです。
そうそう、コイズミ純一郎氏もアベ氏も、国連外交の場で米国を支持し、「国際貢献」とか「人道支援」の名の下に米国のイラク政策を助け、大量破壊兵器が見つからずに大義名分が失われた後もついぞ自分たちの政策の誤りを認めることがありませんでした。
ほおかぶりをしていたら、そのうち皆が忘れてくれる、とでも考えているかのようです。
超大国アメリカに対する日本の自己主張が慰安婦問題でのデマ広告とか対日非難決議案に対する抗議書とかでは、あまりに情けない。
「ふつうの国」だとか与党候補者にも嫌われた「美しい国」だとかのような、舌足らず・思考足らずのせりふではなく、考え抜かれて鍛え抜かれた言葉で私たち の国をこれからどうしていこうとするのか、有権者のみならず世界に向けて、怖いアメリカからしたたかなヨーロッパ、目の上のたんこぶの中国等々世界中の国 々とその指導者たちへ向けて、正々堂々と主張してくれ! 発信してくれ! と言いたい。
それをしてこそ、政権担当者ではないですか。
