30日の毎日朝刊。
1枚めくって目に飛び込んできたのは、「『与謝野官邸』に存在感」の見出しでした。
その横に目をやると、目をむいた桝添厚労相。「『年金』解決 私の公約だ」。
なおもめくると、「テロ特措法延長 『反対』民主に対案なし 原則論の1点張り 小沢戦略に党内沈黙」の記事。
アベ氏は、参院選惨敗後の続投への批判をしりぞけて内閣改造を強行したわけですが、こうして既成事実を積み重ね、それをメディアが追認していくのは、やはり報道各社のトップたちとの会食で決まっていたことなのでしょうかね。
庶民の生活も知らず、政策の理解もなくて、ひたすら米国の顔色をうかがい、国家主義のイデオロギーを押しつけるだけの首相、シンゾー氏。
こんな風にメディア対策に終始することしか能がない首相を戴く国民の不幸を、当の本人はご存じないでしょうね。
コイズミ以降、いよいよもって政治が軽いものになってしまいました。
米国の言うことを忠実に遂行しておけばいい……
メディア対策で、都合の悪いことも米国の影も消しておけばいい……
それだけで政治ができるのですから。
その上でアベ氏が無い知恵を絞るのは、日本会議派の国家主義イデオロギーを国民の中にいかに浸透させるか、というところでしょう。
でも、このイデオロギーの反映の一つでもあった「価値観外交」を、町村外相は受け継がないらしい、というより、「後退」だ、とあります。
「与謝野官邸」出現で、アベ氏はますます影が薄くなるらしい。
そして桝添厚労相は、“命がけ”で年金問題を解決すると勇ましい。
けれど、もともと積み立て方式と思っていたものがいつの間にか賦課方式だった、ということになってしまった年金について、利権にたかってきた政治家たちの懐に巨額な金が転がり込んでいるのだ、きっと、と私の周囲でも噂されています。
貧困、格差問題をどう認識されていますか、と訊かれて新厚労相は、
「データには表れない感覚的格差はあると感じる。だから(自民党が)選挙で負けた。政府の大きな役割はセーフティーネットを張ることだ。だが、何でも税金を突っ込むのではモラルハザードを引きおこす」
と答えた。「切磋琢磨も必要。要はバランスだ」という言葉も添えて。
でも、いつも思いますが、私たちの社会で一番モラルハザードが激しいのは政治家ではないかしら。それも、利権に群がる与党政治家たちが。
年金の巨額資金にしゃぶりついてきた人物たちを明らかにしようとすれば、確かに“命がけ”かもしれませんね。
賢い桝添氏のこと、そんなことに命を懸けるとは思えません。
じゃあ、いったい何に命を懸けるのでしょうか。
もらえるはずの年金をもらっていないのかもしれない、あるいはもらえないかもしれない、という不安。
もらえそうもない、という怒り、あるいはしらけ。そこから来る制度への不信。
この不安と怒りとしらけの元になるのは、記録の不備と保険料の流用。
流用については、もしかしたら、これに政治家が絡んでいるのではないか、という疑問がどうしても払拭できないんですよね。もちろん官僚も。
そうなれば、当然その額はマッサージチェア購入どころの話しではないわけですし。
蜜に群がる蜂のように、業者のみならず政治家・官僚が寄ってたかって年金を食いものにしてきたのでしょう?
たとえばグリーンピア問題について保坂展人さんは今年4月の記事で、
「グリーンピア問題の責任は社会保険庁にはなく、旧厚生省年金局と自民党族議員にあったということを確認しておきたい」
と書かれていますし。
それにしても新聞にあった流用項目――グリーンピア建設費・被保険者の住宅融資・事務費交付金・福祉医療機構への支出・年金福祉施設の整備費・年金相談などの経費・年金事務費・委託事業――の内容は、あまりに大ざっぱすぎてよくわかりません。
特に事務費交付金・福祉医療機構への支出って、何でしょう?
現在は削除されてしまった「山本恵子の政界夜話」のページには、年金記録の破棄を命じた当時の長官正木馨氏の豪奢な邸宅の一部の写真が載ってましたっけ。それも、年金資金で建てたものだとかなんとか説明があったような。
また、年金利権といえば、民主党チームが東京・品川区の社保庁倉庫で見つけたという2冊のファイル。
「民主党サイドはファイルのコピーの提出を求めてきましたが、社保庁はずっと突っぱねてきた……その2冊のファイルには、自民党の族議員 が、建設会社のために社保庁に“口利き”した証拠が眠っているとみられている。ついに中身が明らかに なるとあって、関係者は震え上がっていますよ」
歴代の自民党政権は、社保庁とグルになって、グリーンピアとか厚生年金会館建設など、年金の給付以外に約6兆9000億円も国民の保険金を流用してきた。とてつもない“利権”が暴かれたら、安倍自民党は一巻の終わりだ」(livedoorニュース 8月24日)。
ああ、記録不備の問題でも流用問題でも、年金のことを考えていくと終わりがありません。まさに厚労相が命をかけてする仕事にふさわしい。
桝添大臣! 基礎年金番号に統合されていない5000万件の年金記録の照合作業も怠りなく。そして流用・利権問題についてもしっかりやっていただきたいです。
まさか、2冊のファイルのマル秘事項隠しに命をかける、なんてことのないように。
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