昨日は植草さんが実刑判決を受けたのを知り、どっしりと重い、動かしがたい空気のようなものを感じたかと思ったら、今日はまた別な件でヤメ蚊さんのところから「転載・引用熱望」記事のTBが。
 植草さんが手鏡云々で逮捕された後だったでしょうか、どなたかが口八丁手八丁の竹中平蔵に対抗する人がいなくなった、と嘆かれていたのを思い出します。

 金子勝ではまだ力不足だ。
 竹中平蔵に弁舌で対抗でき、さらには普通の人びとにも分かるように経済について説明できるのは、今の日本では植草一秀しかいない、という話しでした。
 
 やけにその話しが頭に残り、気をつけてみているうち、MpuRa「直言」に「UEKUSAレポートplus」が掲載されましたね。
 そこでコイズミ政権と竹中平蔵のいかがわしさもりそな問題も知り、「なるほど、『りそな』って騒がれていたけれど、そういうことだのか」と合点がいったものです。

  コイズミ政権発足1年前に、植草さんはコイズミ純一郎、中川秀直両氏に経済政策運営についてレクチャーしたその席で、説明を遮り、自説をとうとうと述べ る、聞く耳を持たないコイズミ氏を目の当たりにして、「近い将来に小泉氏が首相に就任することがあれば、日本経済は最悪の事態を迎えることになるだろうこ とを確信した」そうです。

 結局、失われた10年に、さらにコイズミ氏の手で失われた5年が積み上げられていく。それが分かりながらもいかんともしがたい立場で歯ぎしりする思いだったのではないかしら?

 事実に即した正確で適切な分析と未来への洞察から、より確かな予測が生まれるのでしょうね。
 なんだか植草さんの立場が、私が好きなギリシア悲劇の、トロイアの王女カッサンドラと重なってしまいます。

  未来を予知できるカッサンドラは、トロイアの悲劇も己の運命も目に見え、予言しながらも、誰もがそれを信じてくれない、そんな女性でした。結局、戦利品と してギリシア方総大将アガメムノーンの手に渡り、ミケーネに連れていかれ、そこで不貞をはたらいていた妻の手で、アガメムノーンと共に殺されてしまいまし た。

 生の不条理に納得できない古代ギリシアの人々は、カッサンドラに予言の力を授けたのも、その予言を誰にも信じてもらえないようにしたのも、いずれも神の意思だ、として心を落ち着けたのかもしれません。

 でもでも、ゲンダイにおいてはカッサンドラはいない! いてはいけない! 

 植草さんを翻弄する不条理も、ヤメ蚊さんが訴える山本至弁護士再逮捕の件も、権力に憑かれた人間の謀(はかりごと)の結果だとしたら、これは人間の力で何とかしないといけない。

 いつか書いたように、1度目の時は分かりませんでしたが、昨年9月、植草さんが再度逮捕されたとき、これはおかしい、と直感したその後の展開は、あまりに長期の拘留といい、保釈請求が複数回拒否されたことといい、異様にしつこい検察・警察の印象が目立ちました。

 また昔の話しになりますが、小さな講演をお願いして警察署に行ったとき、偶然荒縄で括られた若い男性を見て、衝撃を受けたことがあります。後に窃盗の類でつかまった人だと聞きましたが、あの時、ほんの一瞬目にした光景の強烈さは、今でもまざまざと思い出します。
 ただ、男が1人、藁をよって作った昔よく見た縄で、後ろに回した手か、それとも腰回りだったかが拘束されていた、その後ろ姿をちらっと見ただけだったのですが。

 なんだかその場だけ、江戸時代のお白州みたいに、時間が止まっているようでした。

 もし無実であれば、つまり冤罪であれば、こんなことは屈辱でしかありません。
 冤罪の人間に対しても、そんな屈辱を与えることができるのが権力なのでしょうね。

  話しは変わって、つい1週間ほど前、「黙秘強要、弁護士を脅迫容疑で逮捕」という記事を見て、妙な話だなあ、と印象に残っていたのが、ヤメ蚊さんからいただいたTBの記事に登場する山本至弁護士。

 詳しくはヤメ蚊さんの所、

山本至弁護士の再逮捕は変だ!~なぜ、東京の事件を宮崎地検が…
【転載・引用熱望】山本至弁護士支援の輪を広げよう~2回目の逮捕は明らかに弁護活動妨害目的だ!

 をお読み下さい。

   
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 追記: 30何年も前、私は神戸に住み、大阪まで国鉄で通勤していました。たった1年間だけでしたが、その間に痴漢の問題については嫌な思いをたくさんしました。

 そしてつい1年前、捜し物があって日頃行かないスーパーに足を伸ばしたときのことです。
 店内に入るとすぐにおじさんが後ろから走り込んできて、両手で私の腰を掴んだのです。当然私は、びっくりしてふり返り、睨みつけました。
 その時のことを思い出すと、今でも何ともいえぬ嫌な気分になります。見知らぬ男性に体をさわられたというだけで、不快感に襲われます。

 で、この時この中年男性に私がどう対処したかというと、実は振り向いて睨みつけること以外、何もできなかったのです。目が合ったとき、相手の男は顔をこわばらせたように見えましたが、何を考えていたのでしょう。

 なぜあの時、「何するんですか!」と大声で言えなかったか、ついでなら「警察に行きますか?!」とでも言ってやれば良かった、などと思っても後の祭り。
 せいぜい、あのスーパーには今後行くまい、と考えるくらい……。

 きっと、こんな対応しかとれない女性は多いのではないでしょうか。痴漢男性も、おとなしそうな女性を狙うといいますから。
 逆に言うと、大声を出すなどの対応のとれる人は、危機管理トレーニング等をして、とっさのときでもそれなりの対応のできる人。でもそんな人、どれだけいるでしょうか。

 一時話題になった「おやじ狩り」等というのは、最初からそのつもりでしょうから、当然大声も出るし、相手にすごむこともできるでしょうが。