1989年12月20日、第2次世界大戦後最大規模といわれる都市空爆がパナマを襲った。
 空爆を決行したのはいうまでもなくアメリカだった。
 
  81年におそらくジャッカルの手はずで乗っている小型飛行機が爆発炎上し死亡したトリホス大統領の後継者マヌエル・ノリエガは新パナマ運河建設計画を推し進めていたが、資金調達と建設に日本を頼ろうとしていた。
 が、ノリエガは「トリホスほどカリスマ性もなければ高潔性もなかった」。

 当時のアメリカ大統領はパパ・ブッシュ。
 国務長官ジョージ・シュルツはベクテル社の元重役。
 元国防長官キャスパー・ワインバーガーは同社の副社長だった。

 ベクテルは数10億ドルのビジネスチャンスを逃すかもしれない……こうしてノリエガは「堕落と退廃のシンボル」として世界中に喧伝された。

 パナマ空爆について世界中の政治家、政府、マスコミが一方的なアメリカの行動を国際法違反だと非難した。
 我が日本政府はどうだったのだろう? 分からない。当時は第1次海部内閣だ。

 一方、日本のマスコミといえば、記憶にある限りでは新聞の片隅にアメリカ軍のパナマ侵攻が載っていたくらいだ。麻薬取引で腐りきったノリエガのパナマを懲らしめる、というような論調だった。
 私もそれ以上は何も考えなかった。

 アメリカのメディアも非常に限られた範囲でしか扱わなかったそうだ。
 当時の国防長官(現副大統領)のリチャード・チェイニーは死者の数を500~600人としたが、複数の独立系人権グループは、3,000~5,000人と見積もり、25,000人が家を失ったという。

 ノリエガは拘束され、マイアミに連行され収監された。昨年の9月9日に釈放されているはずだ。

 このアメリカの対パナマ政策について、菅原出氏の『外注される戦争』によると、元民主党政治運動家ジョン・レンドンが率いるレンドン・グループがプロパガンダを請け負い、麻薬取引その他の悪に手を染める腐敗した独裁者というノリエガのキャンペーンを行ったようだ。
 菅原氏はこのレンドン社を「戦争広告代理店」と呼んでいる。

 大統領になりたてのパパ・ブッシュは、1,000万ドルの資金をパナマ反体制勢力に流し、ノリエガ政権を打倒させる秘密工作をCIAに命じた。で、これをCIAはレンドン・グループに外注した。

 さまざまな銀行口座やダミー会社を通じて「洗浄された」CIA資金がCIAの望む候補者陣営に流れ、そこからレンドン社に支払いが行われた。

 パパ・ブッシュの政権がパナマ侵攻を決めたとき、ジョン・レンドンと数名の従業員はパナマ市に軍用機でいち早く到着し、米軍侵攻の15分前にはパナマ入りをしていたという。

 アメリカの軍事行動を好意的に報じるように、パナマの反政府勢力のメディアを訓練する契約をレンドン社は国防総省と結んだ。
 米軍侵攻の一部始終はマスコミ、赤十字などの外部の眼から遮断され、中で何が行われたか明らかにされていない。
 このアメリカ政府の犯した罪を、アメリカ市民はほとんど認識しなかったらしい。レンドン社の手柄もあるだろう。

 さあ、これだけの悪事にパパ・ブッシュやチェイニーは手を染めてきたわけだ。
 そしてまた同様のことをジュニアがチェイニーと組んでイラクでも行った。
 
 このブッシュ家、アメリカでは名家のようで、wikipediaによると女系の先祖がイギリス王室に連なる家柄なのだとか。典型的なWASPなんだろう。
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   ↑このレーガン政権のいたって脳天気な集合写真を見ると、この笑顔の陰でどんなことが進行していたのか、ゾッとするばかりだ(パパ・ブッシュの政権の写真をまだ見つけていない)。

  国を挙げて、というよりアメリカという国の政財界の指導者たちコーポレートクラシーが法を無視し、米軍が独立した一国を空爆して勝手に押し入ったこと、そ のために多くの犠牲者が出たこと、その独立国の指導者を勝手に自国に連行して裁判をしたことなど、私たちの国のマスコミはどれだけ報じたか、政府はどれだ け抗議したか、なんとも心許ないのだ。

 追記: 日本がアブナイさんの所に行ってびっくり、唖然。

 14日夜から15日朝にかけて、東京の新宿御苑に、迎撃ミサイルパトリオット(PAC3)の装備の一部が運び込まれ、発射地点として適しているかを確認する実地調査が行なわれたそうだ。

 うまくアメリカのコーポレートクラシーの手に乗って、どんどん既成事実を積み上げている。

 日本会議派の方々は、草の根会員も含めて「平和」という言葉が嫌いなようだ。
 戦争したがる気持が一致して、こうした自衛隊の動きの加速に拍手を送るのだろうか。
 いつも不思議に思うのだが、年次改革要望書に怒っているのに、なぜアメリカの軍産複合体とコーポレートクラシーに絡んだこうした自衛隊の動きを容認どころか歓迎するのだろうか?
 
 草の根会員の一人ひとりがまさか戦争推進で儲けているとは思わないのだが、アメリカ国内のキリスト教原理主義者が南米で露払いの活動をして戦争協力したように、結局コーポレートクラシーが大儲けするのを後押しすることになるのを知っているのだろうか?
 (アマゾン川流域の原住民に対して福音派の伝道団SILは大航海時代のスペイン、ポルトガル並みのだましテクニックを使用し、そこにアメリカの企業が進出していった。アマゾン流域は石油の宝庫だ)。

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