今日の朝刊。
 連日不愉快な記事が多くて、家人が取ってきたものが目に入るたびに胸が痛くなります。

 今日真っ先に目についた記事は、毎日・朝日共に暫定税率もの。

 地方政界とメディアを巻き込んだキャンペーンか? と一瞬思ってしまいましたが、中央から檄が飛んだとか、そうかもしれないし……自公の支援を頼りにする知事が自発的にしたものかもしれないし……メディアの自主的キャンペーン参加かもしれないし……。

 とにかく何としても税源を手離したくない、そのためには何でもする、という政府の姿勢がよく見えます。

 昨晩のテレビでも県知事が暫定税率を廃止したら困る、と語っているのが大きなニュースになっていましたから、おや? とは思っていたのですが。

 福岡県は326億円の減収。福岡市は約175億円、北九州市は約115億円の減収。

  これについて、「このまま廃止されると影響はあまりに大きい。公共工事の見直しは必要だが、廃止には基本的に反対」、という福岡市長の言葉を伝えながら、 こうした減収分を「国直轄事業の地方負担金の減額や、地方が本当に必要な道路を造ることで圧縮する」という民主党の主張にもふれていたのが毎日。まあ、 「ふれていた」という程度ですが。

 これに対して「知事『案になってない』」という見出しで民主党案に怒る麻生知事の言葉を、グラフを使って説明しているのは朝日。
「暫定税率が廃止されると(県債の)返済が出来なくなり、地方財政が危機に陥る。道路の維持、補修も極めて難しくなる」という知事の言葉を紹介しています。

 で、もう一度、昭和48~52年度の道路整備五ヵ年計画の財源を確保するために昭和49年度から2年間の「暫定措置」として実施された、その後も延長、延長で適用されてきた暫定税率についておさらいをしてみます。

 国交省のHPには、

「立ち遅れた道路整備を推進するため、本則税率を引き上げ、揮発油税で2倍、自動車重量税で2.5倍などの暫定税率とされており、それらが国と地方の道路整備のための財源となっています」

 とあります。

 道路整備の実例は、国土交通省道路局こちら(2006年度分)で見られます。
 面白いのが、「地域別索引」とは別に、「効果分野別目次」の項目があること。
 もともと道路行政に対する不信には根強いものがありますから、「時間の短縮や産業や地域の振興、安全な交通の確保」などの効果を訴えて有権者~国民の理解を得る、ということでしょうか。

「農林水産業の振興」の項目には、平成16年4月開通の四国横断自動車道・松山自動車道について「かつお水揚げ四国一の深浦漁港から大都市圏へも翌日出荷」と謳われています。 
 なるほどなあ、開通前に比べ開通後は東京・大阪両市場への出荷が約3倍になっています。
 じゃあ、
水揚げ高そのものが3倍になったとも考えにくいから、2倍に当たるものはこれまでどうしていたんだろう? 

 もし水揚げ高が3倍近くになっていたとしたら、これはこれで資源として別な問題がありそうだし……などと疑問が湧いてきますが、実際どのような事情になっているのか分かりません。
 でも、大都市と地方を結ぶ道路網の一つの姿が浮き彫りになっているのは分かります。 
 都市へ都市へ、東京へ、と草木もなびくようにように、人が、産物が、富が吸い上げられていく私たちの国の構造がよく表れています。

 道路整備の問題の前に、私たちの国土をどのような姿・形にしていくか、というもっと大きな問題が横たわっているのではないかしら。

 また現在、近年の公共事業を圧縮する予算編成の概算要求枠のため、

「道路予算も税収入を下回る規模に抑制され、その余剰分が『一般財源』や『使途拡大』に回されている。今年度予算では一般財源が1800億円、それに使途拡大などを合わせると約6100億円が、本来の目的外に使われている」

 ということになっているそうです(「単眼複眼」)。

 さらにこれがゲンダイネットにあった「国交省職員の福利厚生に充てられた約5100万円」も加わり、「目的税」あるいは「道路関連の特定財源として用途を限定されている」にもかかわらず、いつのまにか筋違いの所に使われています。他にもまだありそう……。

 なにか、こんなことが多すぎます、この国の政治には。

 道義も節操もなく、既成事実を積み上げて自分の所に利益誘導してくる要人が跋扈しています。それでいて、人には道徳やら倫理やらを要求してくるのですが。

 ここにいたって業界団体も声をあげたようです。
道路整備以外に使用するなら暫定税率は直ちに廃止すべき」と緊急声明を出しています。

 最後に白川さんの「永田町徒然草」から。

ガソリン税の暫定税率を維持することは、地方には絶対に必要だという人たちに 申し上げたい。もう一度ガソリン税というものを勉強してほし い。ガソリン税という税金はない。ガソリン税というのは、ガソリンに課税される揮発油税と地方道路税を合わせた税の通称である。揮発油税は国税として全額 が国土交通省に入る。地方道路税も国税だが、全額が譲与税として地方に譲与される。地方はまだまだ道路整備が必要だというのならば、この地方道路税の比率 を多くすることである。ガソリン税の暫定税率を廃止しても、地方の道路財源は十分に確保できるし、かえってヒモ付きでないでない道路財源を手にすることが できる。
 

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 喜八さん、ヘリオトロープさん、わこさん、愚樵さん、拍手コメントをありがとうございました。
 喜八さん、言葉も軽い、言動そのものが軽いんでしょうね。
 ヘリオトロープさん、橋下氏が活躍をしていたグレー金利で取り立てをする会社というのが、わたしが書きました商工ローンです。
 わこさん、「物はあるのだから分配さえ上手く行けば皆幸せになるのでしょうに」に同感。
 愚樵さん、過疎地の車や道路の問題、重たいですね