もはや重要ではない日米関係、誰が大統領でも影響ない」とジャーナリストの上杉隆さんは言い切ります。

「今回の大統領選では、外交に関しては、イラク、パレスチナを中心とする中東、そして経済的なパートナーとしての欧州と中国ばかりに話題が集中している。日本はと言えば、辛うじて対中関係の中で触れられただけにすぎない。つまり、ワシントンでは誰も日本を気にしていないのである」

「日米同盟は存在しているが、米国の世界戦略上、日本はかつてのような最重要国からはすでに脱落している。米国にとってのアジアのカウンターパートは中国であり、その次はインドだ。もはや、日本は東アジアの戦略上の便利な「同盟国」としかみられていない」

 ということ。

 なるほど、かなり前からジャパン・バッシングJapan Bashingではなくジャパン・パッシングJapan Passingだ、といわれていました。

 80年代のバッシングBashingが90年代にはパッシングPassing、そしていつのまにかJapan Nothing。

 パッシングだ、ノッシングだ、と言われると、そこまで存在感がないのかと驚きますが、まあ、アメリカの思い通り、言いつけ通りになるので存在を感じる必要がないのか、と妙に納得。

 私たちの国は、世界の警察官アメリカのために「受け入れ国支援」を「思いやり予算」と言い換え、2位以下の国々を桁違いに引き離して、ダントツ1位、と貢献しています。
 それでもパッシングだ、ノッシングだ、と言われる情けなさ。

 さて、この日本とアメリカの“同盟の架け橋”在日米軍について、分からないことがたくさんありましたので、自問自答を試してみました。
 私の、私自身による理解ですから、もしかしたら独断と偏見に満ちているかもしれませんが。

Q1.なぜ、アメリカの軍隊が日本に駐留しているのか?
   また、なぜ、そんなことができるのか?
 
A;在日米軍司令部はHPで、

「平 和、安全とその維持のために」「在日米軍司令部は米国の前方展開を支援し、地域の安全保障と他からの侵略を抑止するため、日本国政府と合同で防衛にあたっ ています。もしも他国からの侵略があった場合には、在日米軍は地域の戦闘作戦を支援し、日本を防衛するために命令があれば戦闘作戦を遂行します」

 と謳っています。

「もしも他国からの侵略があった場合云々」は、日米安全保障条約の第5条に定められていること。

 この第5条と次の第6条「日本国の安全に寄与し、並びに極東における国際の平和及び安全の維持に寄与するため」、日本が施設と区域を提供して米軍が日本に駐留できることになります。

Q2.(「地域の安全保障」の地域とはどこのことか? 「前方展開の支援」とは何のことか?

A;
「地域」とは「極東地域」。
「前方展開の支援」とは、アメリカ本土から、たとえば直接ベトナムとかイラクとかに飛んでいくのが大変なので、常日頃から日本でいつでも発進OKの準備して、すぐに戦場に駆けつける、ということ。

 それが証拠に、日本にいる米軍は、海兵隊、空軍、海軍等、高い機動力をもつものが主体。

 ちなみに、昨日市長選のあった岩国は海兵隊の基地ですから、街をで歩くアメリカ人の中にはセーラー服姿が見られるはず。
 そこへこれからは、西太平洋艦隊航空部隊司令部のある厚木基地の空母艦載機もやってくることに。

 厚木基地周辺の住民の起こした飛行差し止めと騒音被害の賠償を求める訴訟は、昨年末の提訴でもう4度目。

「空母が横須賀を母港とする限り、艦載機は岩国から厚木を経由して訓練場所に通う」
「米軍は、厚木と岩国との間をひっきりなしに行き来し、二つの基地を自由に使うだけではないか」

 そう、厚木基地の被害者の人たちは考えています。
 
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 写真は、空母キティホークの艦載機FA18スーパーホーネット戦闘攻撃機。2003年の配備でエンジン出力は従来機の35%増で騒音はさらに拡大したそうです。

 なお、海兵隊の司令部は沖縄キャンプ・コートニー。
「日本の防衛及び西太平洋とインド洋での有事計画、作戦を支援するために展開している海兵隊航空・陸上任務部隊の計画、指揮、調整を行っております」

 ということです。

 でも、間違ってはいけません。
 在日米軍司令部は横田基地に置かれていますが、実戦の作戦指揮ができるわけではありません。

 日本にいる米軍は、北方軍(北米大陸担当)、欧州軍(欧州から極東ロシア)、中央軍(中東から中央アジア)、南方軍(南米大陸)、太平洋軍(太平洋全域とインド洋、東アジア、オセアニア地域)の5つに別れたグループのひとつ、太平洋軍に属しています。

 ですから、いざ! というときには、ハワイの米太平洋軍司令部の指揮のもとで動くのです。

Q3.冷戦が終わって20年近くなります。今の日本とアメリカの軍事的関係はどうなっているのか?

A;1999年の日米防衛協力新指針(新ガイドライン)で法的な裏付けができ、これまで以上に軍事的連携を図ることが可能な態勢ができあがりました。

 時折耳にする「周辺事態」という考えもこの新ガイドラインでできあがりました。

 ですから現在の日米軍の守備範囲には、日本有事・極東有事を越えてアジア太平洋地域の有事をも入る可能性があります。
 ただし周辺事態法には、

日米安保条約の効果的な運用に寄与し、わが国の平和及び安全の確保に資することを目的とする

 という表現があることで、辛うじて歯止めがかけられているのかもしれません。

Q4.沖縄ではこの11日、その前日に女子中学生に暴行したということで海兵隊が逮捕されました。ずばり、どうして基地周辺ではこの種の犯罪が後を絶たないのか?

A;20歳にもならない若ものが、本国で射撃訓練、沖縄等の日本の基地では、毎日毎日、徹底的な殺人訓練を受けます(今回の容疑者は38歳ですが)。

 そんな兵士が休日や夜には街へと繰り出すのですが、いわば“歩く暴力”が街を行くわけです。
 基地の中の訓練では、頭は使うな! 殺人兵器になれ! としごかれ、街へ出るときには紳士になれ、といわれても、そんな「ジキルとハイド」並みのことはとてもできません、という兵士が必ずといっていいくらい出てくるのでしょうか。

 昨年は岩国基地の兵士たちが広島まで出かけていって女性に暴行していましたし。

 こうした兵士の暴行を、基地の上層部の軍人たちは“必要悪”とでも考えているのかもしれませんね。

 ううう、基地の問題は考えれば考えるほど、やりきれないことばかりです。

 どこが日本を守ってるんだ! 日本を守るというのは、日本人を守ることも含まれるはずだ! と怒ってみる。

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