調査捕鯨は国策なの? 妨害行動を非難するばかりですが、何か隠してませんか
南極海で調査捕鯨を行っていた日新丸が帰港した15日をはさみ、調査捕鯨に対する妨害行為について、私の知る限りで3種類のニュースがNHKで流されました。
・“調査捕鯨 妨害行為が影響”
・調査捕鯨 危険な妨害やめて
・妨害受けた調査捕鯨船を検証
の3つです。
まず帰港前日の14日、農水省の白須事務次官のことば。
調査捕鯨に反対するアメリカの環境保護団体『シー・シェパード』などによる妨害行為を回避する必要があったため、調査日 数が不足した。捕獲の計画を達することができなかったのはまことに遺憾だ。
なんでも、昨年12月~今年3月の調査期間中、ミンククジラ等900頭前後を捕獲する計画だったのが、ミンククジラ551頭と計画の60%程度にとどまった、ということでした。
15日の帰港直後の会見で日新丸船長のことば。 『シーマンシップ』にのっとって人命を危機に さらすような行為はしてほしくない。 さらには水産庁成子隆英課長が、計画の60%程度にとどまったことについて語ったことば。
資金面で影響が出れば値上げ もやむをえない。
なんでも 、調査捕鯨の費用が主に調査捕鯨で捕獲した鯨の販売収入で賄われていることから、捕獲した頭数の大幅な減少で今年夏以降に販売す る鯨の肉の値上げが必要になるという考えを示したそうです。
海上保安官19人が、東京・大田区の大井ふ頭に接岸中の「日新丸」に乗り込んで調査。これまでに、投げつけられた瓶を押収。またビデオ映像を分析して瓶を 投げつけたメンバーの特定を進めるなど、傷害や威力業務妨害などの疑いで捜査し、今 後、船長や乗組員からも当時の詳しい状況を聞き取ることにしている、ということでした。
やれやれ、例の実力行使は日本人の反感を呼んで、けっしていい戦術ではないと思うのだけれど。
でも、農水省側の言い分がどうも不可解。
調査を行う(財)日本鯨類研究所は、共同船舶(株)から船舶を乗組員つきでチャーターして南半球ミンククジラの調査をする。
水産庁が支出する鯨類調査資金の半分以上はこの南氷洋のミンククジラの調査に割り当てられる。
その他の資金は国際捕鯨委員会IWCから委託された南半球および北太平洋での目視調査(←日本鯨類研究所のHPでは「目視採集調査)に、またわずかながらイシイルカ調査に割り当て。
不条理日記さんによると2006年度のこの額は9億円ということですから、こちらにある1990年度の頃とたいして変わっていませんが、そこには農林水産省の所管の「海外漁業協力財団」からの無利子融資については言及がありません。
この無利子融資36億のうち10億が(財)日本鯨類研究所は返せなかった。
おまけに、詳しい実態調査をするという名目で捕獲数が増えた(05~06年度で440→850頭)が消費は伸びず、95~05年の10年間で在庫が倍増してしまった(1813→3945トン)。
調査捕鯨の資金の流れは06年度でいえば、
海外漁業協力財団は補助金12億をもらい、35億を日本鯨類研究所に無利子融資。
日本鯨類研究所の収入65億のうち、
クジラ肉売り上げ 55億
補助金 5億(南氷洋ミンククジラ調査へと思われる)
調査受託 4億(南半球・北太平洋のIWC/IDCR航海へと思われる)
その他 2億
(億未満は四捨五入)
ということ。
で、調査捕鯨の費用が主に調査捕鯨で捕獲した鯨の販売収入で賄われている、という水産庁課長氏の言葉とこの数値が食い違います。つまり、海外漁業協力財団からの無利子融資35億円分のことが、水産庁課長氏の発言には考慮されていません。課長氏が知らないわけありませんから、故意に隠していると考えて差し支えないのではないでしょうか。
さらには、値上げもやむおえない、といっても、100グラム1000円前後という今でも破格の高値のクジラ肉の消費がこれからどれだけ伸びるのか疑問。
おまけに水銀、PCB等の有害物質蓄積の問題があります。鯨類研究所では汚染度の高いものは販売を見送っていると述べられていますが。
これほど不利な条件が揃っていながら、また捕獲せずとも調査は可能だと批判されながら、
無利子融資のことを隠してでも、なぜ捕獲を強行するのか、さっぱり分からないのです。
暫定税率の失効のことで小池百合子氏が「(京都)
一方捕鯨問題に関しては、世界の批判なにするものぞ、のごとく突っ走る。
どうもそのあたりは一貫性がないのですが、
何かを隠している、という点では両者の間にズレはなさそうです。政府は国民への説明を怠っていませんか。
怠っているばかりか、シーシェパードを非難することで、世論を別な方向に誘導しようとしていませんか。
