妙な話です。

  日本経団連は、消費税率の引き上げに合わせて所得税の減免措置も講じる税制改革案を提示する。子育て世代への税負担軽減に加え、75歳以上の高齢者の給与 所得などを非課税とすることを検討し、7月にも提言をまとめる。75歳以上を対象にスタートした後期高齢者医療 制度に対して「姥捨て山」との批判が高まる中での提案は、与野党の税制論議にも大きな影響を与えそうだ。

 75歳以上の高齢者が、給与や事業から得た所得を非課税にするよう要望する。一律的な優遇措置の導入には「富裕層を過度に優遇する」との批判が予想されるため、株式の売買や配当など投資収益については、税制優遇の提言は行わないとみられる。

 ……

(6月5日 毎日)

 
   
 なんでも御手洗会長によると、安定した社会保障制度の確立のためには消費税引き上げが必要で、「経済へのインパクトを最小限に抑えるために」減税も検討しろ、ということらしい。


 なっなっ、何なの? と思わずどもりそうになってしまったこの経団連の提言。

 消費税を上げろ、と主張する後ろめたさから、子育て世代と後期高齢者には一律減税を! といってるのでしょうか。

 75歳を過ぎてもなお給与所得のある人はいるんですね。
 また、「商工業者、農漁業者、医師、弁護士、俳優、競馬騎手などのように、事業を営んでいる人のその事業から生ずる所得」と国税庁のHPに説明されているのが事業所得。
 このどちらも、金額にしてみればきっと千差万別でしょう。

 一律に75歳以上を後期高齢者という別枠の医療制度で括ったのも、一律に75歳以上を優遇する税制、というのも簡単明瞭のようで、どうもどこかに落とし穴がありそう。 
 単に、姥捨て山制度の評判が悪いからと、かぎ裂きしたところにあて布を当てて、それも色違いのあて布を当てて繕うみたい。

 子育て世代はお金がかかるから、年寄りは医療費を負担してもらわないといけないから、と優遇する。だから消費税を上げても文句を言うな、と言われているようでなんとも違和感を覚えます。
 つぎはぎだらけの税制が、どうもおかしい。

 
 とはいっても、消費税率の引き上げが“税制抜本改革の焦点”と言われたら、それもまたおかしい。
  これについては、「今年の税の議論は例年より早くやらざるをえない」「7月ぐらいになったら一度自民党の関係者全員が集まって、どうするのか相談を始めな くてはいけない」と、自民党税制調査会小委員長であり、かつ財政改革委員会会長でもある与謝野馨氏は、先週木曜(5日)に語ったらしいですが。 

 もともとこの与謝野氏は、谷垣氏といっしょに消費税を上げろ論者ですよね。

 今回は数パーセント税率を上げろ、と言ってますが、たしか、このお二人の過去の発言をふり返ると、それだけではなかったと記憶しています。将来は18%まで上げよう、などという話しがなかったですかね?

「責任政党」として増税議論をするのだとか、「抜本税制改革」だとかいう勇ましい言葉は、単に有権者に好印象を与えるべく振りまく愛想のようなものでしょっ?

  自民党や公明党のしてきたことを考えると、控えめに言っても“責任”政党は言いすぎでしょうし、消費税を数~5%上げて抜本税制改革だなんて、コイズミ、 安倍、フクダ、とトップの名前は変わっても、言葉の本来の意味を逆さにしたキャッチフレーズを作る手法は、まったく変わりませんね。 

 消費税で増税する前に、するべきことはたくさんあるでしょっ。 

 子育て世代は、子どもの養育・教育に出費がかさみます。
 大学卒業まで教育費のかからないフランスやドイツなどのことを考えると、生活に必要な経費が全然違うでしょう。将来は付加価値税なみに消費税を上げようという考えもおかしい。

  なお付加価値税にはゼロ税率などというものがあり、生活に密着した消費には課税をしても税率がゼロとなっています。
 このゼロ税率対象品目、イギリスの例では、食品から上下水道料、書籍代、建物の建設等々は多岐にわたり、実に16グループに区分けされているわけです。

 単一税率を取っている日本(5%)や韓国(10%)の方が世界ではまれで、大半の国でゼロ税率を含む複数税率をとっているそうです。
 すべての消費に一律にかかって逆累進制が指摘されている日本の消費税。なぜ複数税率がとられないのでしょう?

 なるべく手軽に、とりやすい所からとる、というのが日本政府の徴税哲学のようです。

 

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