昨日のエントリーはお読みいただけたでしょうか。

 問題のデモクラシー・ナウの記事を読んだ私の驚きは、エリートたちが犯す罪 の大きさです。もちろん、そのトップに値するものは現アメリカ大統領たるブッシュ氏のもので、この方が金と票のためにやってきた信じがたいほどの悪事の数 々の一端は、グレッグ・パラストの『金で買えるアメリカ民主主義』でも述べられています。

 こんな方との盟友関係を誇らしげに掲げ、後生大事にしてきた元首相コイズミ純一郎という方の人間の底が知れるというものです。まあ、ワルのスケールを小さくしたものの、同じ穴のむじな、というところかもしれません。

 CIAの尋問プログラムのアドバイサー&教官のジェー ムズ・ミッチェルとブルース・ジェッセンの会社ではかつてのCIA尋問官が働いているという件で思い出したのは、政府の契約会社として成長した民間軍事会 社PMCの1つがノーベル経済学賞受賞者によって設立されたものだ(菅原出著『外注される戦争』より)という話し。

 もっとも会社設立が 60年代で受賞が90年ですから、若く才能の溢れた人が会社設立後も経済学の世界で業績を上げたということでしょうが、戦場シミュレーション・プログラム を米軍向けに開発したことで米連邦政府と取引するようになり、基地の人材派遣業務を引き受けて、2001~03年で収益を倍増させて従業員数は6300人 にまでなったそうです。
 つまりアフガン・イラク戦争で急成長を遂げたということです。

 日本でも戦争ではなく、いわゆる“改革”に絡んでエリート経済学者さんが一儲けも二儲けもした、というような話しが囁かれていますよね。

 で、話しをデモクラシー・ナウ! の記事に戻しますと、そもそもCIAには捕虜尋問の経験はなかった。それがあったのが軍隊で、軍隊内には拷問に関する秘密プログラムがある、ということです。それがカリキュラムまで揃えたSEREプログラム。
 CIAはこのプログラムを参考にしたわけです。
 
 そしてジェームズ・ミッチェルはアラビア語も話せず、イスラム原理主義について予備知識もなく、それまでは尋問の経験もなかったけれど、捕虜をおとすためにセリグマン博士の犬の実験を人間に応用してその道のエキスパートになった、というわけ。

 で、ジェームズ・ミッチェルもブルース・ジェッセンもアメリカ心理学協会APAのメンバーではないけれど、このCIAの尋問プログラムにはAPAの関わりが疑われている、ということ。
 ちなみにAPAは世界最大の心理学協会で15万人の会員を擁しているのだとか。

 SEREプログラムとはSurvival、Evasion、Resistance、Escapeの頭文字をとったもので、意味はそれぞれ生存、回避、抵抗、逃亡。この中に、厳しい拷問に耐える訓練が入っているらしいのです。

 CIAの尋問プログラムはこの訓練を逆の意味で応用した、ということ。

 2002年、CIAのアラビア語もでき、イスラム事情に詳しいエキスパートがグアンタナモに収容されたテロリスト容疑者のうち1/3は無実だ、と報告しても政権に無視され、FBIがCIAの違法な尋問手法を問題にしても、やはり政権は無視したのでしょうね。

 2006年にはブッシュ大統領は堂々と、CIAは、尋問の進展とともに口を閉ざすようになったグアンタナモに収容されている重要容疑者に、それまでとは異なる手法を用いることになったが、それは完全に合法的なもので、拷問じゃないぞ、と語ったのです。

 もちろん、この大統領の言葉は嘘です。

 さらに2006年に辞任したマクレラン元報道官は、最近のABCニュースのインタビューに答えて拷問があったことを認めているようです。

「外に出ると、我々は拷問はしない、国際条約等は守ってる、と言いましたが、資料にあることは何でも信用してました。で、ふりかえると、我々が水責め等の残酷な尋問方法に関与したことを知ってるきょうでは、ぜんぜん違う見方をしています。
  違法だったかどうか述べるのは他の人たちには問題ですが、正直言って、今の政権が拷問をしてもいいとは思ってなかったとか、あるいは拷問には関与しなかっ たとかは、今日は言えません。今、ホワイトハウスの中の人たちは、拷問ではない、つまり拷問にはあたらない、と考え続けています。この件に関しては、今日 では私は別な見方をしていますが」と。

 他には、国務副長官だったリチャード・アーミテージが、「こんな会話をすることさえ恥ずかしい。もちろん、水責めは拷問だ」と述べ、元国土安全保障局長官トム・リッジは水責めは拷問だ、と明言。
 現国家情報局長官マイク・マコーネルも「自分がやられたら、拷問だ、と思っただろう」と言ったとか。

 アーミテージ氏は「恥ずかしい」と言いますが、やられた方にとってはとてもそれだけですむ問題ではないですよね。

 アフガン・イラク戦争に限らず、ブッシュ大統領のすることならなんでもOKと、異議の一つも挟むことなくもろ手を挙げて従ったコイズミ純一郎、アベ晋三、そして福田康夫の3○○首相は、大いに恥じてほしい。

     
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