否が応にも、60数年前の戦争のことを考えざるを得ない季節です。

 私も戦争を知らない世代ですが、戦争に駆り出された親の背中を見て育ちました。
 わが家の子どもたちも、戦地に赴いた当時の父の歳をとっくの昔に越えてしまいました。父があんな幼さ、若さで戦いに行ったのだ思うと、今でもたまらない気持になります。

 さて、今日のわが家のニュースです。 ↓ 

自治振興會.JPG S

 義父母の遺品を虫干ししていて見つけたもの。

「常會の誓い」というものものしいものですが、いったい何の常会でしょうか。

「皇國」とか「大御心」とか、旧仮名遣いから戦前・戦中のもの、とすぐ分かるのですが。

 38.4cm×25cmの黄色く変色した紙はA4にちょっと収まりきれませんでした。

 下部の枠外には、右から「自治振興中央會 大阪毎日新聞社 東京日日新聞社」という文字が見えます。 

 検索すると「内務省地方局内自治振興中央會」がヒット。

 自治振興、内務省などと聞くと「隣組」の関係かな? と思って検索……当たり。

 こちらには隣組常会の写真が載ってます。

 国家総動員下で隣組の各戸にこれが配られたのでしょう。

 それにしても、トントントンからりと隣組、と陽気に歌われたご近所さん、向こう三軒両隣の定期的な集まりで、「互いに私を去って語り合ひ唯ひとすじぢに皇國につくす覺悟 を固めます」と誓い合ったとは、知りませんでした。

 隣組については、こんな資料も

隣組や常会の特徴として、次の点が指摘できよう。
 まず第一に、「上意下達・下情上通」という標語に象徴されるように、住民の最末端まで国家意思を浸透・徹底させる装置であったことである。相互監視と相互牽制によって、「赤化分子」の炙り出しや、「不満分子」の抑制にも効果があった。

 

 等々と説明されていますが、同様な説明は私もよく聞いてきました。

 米軍機の誤爆でアフガニスタンの民間人47人が 殺されたという12日のエントリーを思い出していただきたいのですが、そもそも誤爆に至ったのには情報提供があったわけです。情報提供は時には「密告」という言葉で表されることがありますよね。

 そしてグアンタナモ収容所にテロ容疑で拘留されている人の1/3は無実だとCIAが知っていた話しにも似たようなものがあって、恨まれて密告された形跡が見られるわけです。

 誤った情報提供でも誤爆されて殺される、あるいは拷問で有罪にされる、そんなことが現代でも起こりうるのだ、という現実。


 隣組の相互監視システムで密告された人も多いだろうな、本心を見せることなどとてもできず、息を潜めるように言いたいことも言わずに黙々と動員に従っていったのだろうな、と想像すると、ほんとうにこわい。


 ちなみに、総動員体制を支えて密告を奨励した治安維持法の犠牲者は、こちらによると以下の通りです。

 

 政府発表による治安維持法の犠牲者は、送検者75,681人、起訴5,162人であるが、一連の治安法規も含めた逮捕者は数十万人、拷問・虐待による多数の死者がでた。また治安維持法適用第1号が京都学連事件であった。

 

 明らかな虐殺              65人
 拷問・虐待が原因で獄死      114人
 病気、その他の理由による獄死 1,503人
 逮捕後の送検者数        75,681人
 未送検者を含む逮捕者      数十万人


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