言いたい放題の中山成彬氏は大臣を辞任し、アソウ総理は28日夕方の会見で中山国交相に対し「怒りをあらわにした」と伝えられている。

 でも、ほんとうに怒っていたようには思えない。
 なぜって、アソウ太郎氏も中山成彬氏も同じような感覚と考えの持ち主だと思うから。

 腹の中では、よく言ってくれた、と拍手しているのかな、と思ったり。

 どうもアソウ氏は総裁就任後、これまでのイメージとずいぶん異なる姿を見せているように感じられる。

 早く言えば、やたらとよそゆき顔なのだ。

 国連総会での演説で拍手を求めてしばし言葉をとめ、その後のしてやったりの笑い顔は、総理の地位を手に入れた喜びに輝きながら、国外というよりむしろ国内に向けてのアピールのように受けとめたけれど。

 で、それ以後、テレビに登場するアソウ総理の顔はやけにしかめっ面。
 まるで、笑い顔を見せてはいけません、とでも言われたように、眉間にしわを寄せたようなお面をかぶっているみたいで、思うところあることを隠しているような怖さがある。

 所信表明演説には、そんな衣の下の鎧がちらちらと見え隠れしていなかったかしら。
 
・わたしの前に、58人の総理が列しておいでです。118年になんなんとする、憲政の大河があります。

・日本は、強くあらねばなりません。 強い日本とは、難局に臨んで動じず、むしろこれを好機として、一層の飛躍を成し遂げる国であります。

・(幕末の)わたしども日本人と は、決して豊かでないにもかかわらず、実によく笑い、微笑む国民だったことを知っています。この性質は、今に脈々受け継がれているはずでありま す。蘇らせなくてはなりません。

・先の国会で、民主党は、自らが勢力を握る参議院において、税制法案を店晒(たなざら)しにしました。その結果、2カ月も意思決定がなされませんでした。

 …… 

 与野党の論戦と、政策をめぐる攻防は、もとより議会制民主主義が前提とするところです。しかし、合意の形成をあらかじめ拒む議会は、およそその名に値しません。

 「政治とは国民の生活を守るためにある」。民主党の標語であります。議会人たる者、何人も異を唱えぬでありましょう。ならばこそ、今、まさしくその本旨を達するため、合意形成のルールを打ち立てるべきであります。

・(日本経済の立て直しには)3段階を踏んで臨みます。当面は景気対策、中期的に財政再建、中長期的には、改革による経済成長。

 等々訴えながら、最後は「日本経済は全治3年、と申し上げます。3年で、日本は脱皮できる、せねばならぬと信じるものであります」と締めくくる。

 118年になる「憲政の大河」と綺麗な言葉でまとめて、現行憲法と明治憲法を同列に置いたことに、拍手する向きもあるだろう、と思う。

 一度は否定された明治憲法の復権の試みのひとつかな。

 でも考えてみよう。

 現行の日本国憲法が公布されてから、もうすぐ62年、施行から61年。

 その間、私たちは今の憲法に守られてきたのだ、ということを。

  そして幕末の日本人は、貧しくともよく笑った、か! 

 物価上昇、格差拡大、医療・福祉制度後退、まっとうに、まじめに働く人にとってなんとも生活が苦しく生きがたい人たちが増えても、とにかく笑え! と言われているようだ。

 アソウ太郎氏のお仲間たちは、しきりに、日本人の心を取りもどせ、とか、取りもどそう、とか訴えている。
 たぶん、そうした言葉に惹かれたり、心地よさを感じたりする人の共感を計算してだ。
 この情緒に訴える表現の裏に隠されている鋭い爪を、どれだけの人が感じ取るだろうか。

 民主党が参議院で店ざらしにした税制法案って、ガソリン税などの暫定税率 維持を含む税制関連法案のことかな?

 野党の反発するガソリン税・軽油税の暫定税率を10年間維持する案を牛肉やビールなどの輸入関税の軽減措置、住宅や不動産に関するの軽減措置と一緒くたにして一つの法案にまとめたのは政府と与党の戦略だったのじゃなかったのかな?

 ガソリン税・軽油税の暫定税率の10年間維持には圧倒的に多数の国民が反対していたので、わざと期限の切れる減税措置を図るその他のものと一つにして、この法案を通さないと“損”をしますよ、とポーズをつけたのじゃなかったかな。

 増税延長と減税延長を一つの法案にしてしまうという奇妙な法案を政府自らの手で提出したのは、恥ずかしくないのかな。 
 
「被災者生活再建支援法改正案」など与野党修正合意により多くの法案が成立したという事実もあるのにこの言い草は、やっぱり民主党に喧嘩を売ってるのかな?

 都合が悪くなると審議を打ち切り強行採決する国会運営は、アソウ総理が胸をはって誇れることかな?

 耳に快さそうな言葉を羅列して始まった所信表明演説だけど、よく読んでみればコワイ。

 それにしても、

 わたくし麻生太郎、この度、国権の最高機関による指名、かしこくも、御名御璽をいただき、第92代内閣総理大臣に就任いたしました,とは。

 総理って、かしこくも、ぎょめいぎょじをいただき、と所信表明を始めるものなのだろうか?

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