とむ丸の夢

改革October 3, 2008 2:59 pm

家人がつけっぱなしにしていた今日のテレビ。

 たまたま、参議院本会議での自見庄三郎さんの発言に気づいて、思わずその場に腰を下ろし、最後まで聞いてしまいました。

 自見さん、なかなかのグッジョブです。

 総理の所信表明は強者の論理です、という言葉に始まる熱のこもった話しに対して、アソウ総理以下閣僚の方たちの答弁は、いかにもおざなり。
 自見氏の真摯な問いかけにまともに答えているとはちっとも思いませんでした。

 以下、自見さんの質疑です。

 新自由主義経済は今や破綻しつつある、
 過剰な規制も過度の放任もうまくいかない
 総理は日米同盟の強化が第一だと述べている。対等な日米関係はわが国にとって最も大切な課題である。
 米国大統領でどちらが勝つのか見きわめてから日本の指導者を選択するのが賢明な方法である

 11年前、北海道拓殖銀行が破綻したとき、500万円入りの紙袋を下げた人たちが札幌の郵便局の前に列をなした。民に何かあればかんがバックアップする。いつもセイフティネットを用意しておく。官と民は補完し合っている。

 民営化はすべて良い、というのは一種の迷信。
 民営化すべきものとしないものを、国民は冷静に考えていただきたい。

 ゆうちょ銀行、かんぽ生命は現在226兆円の国債を保有。2008年の3月には国債発行額の29%を占めている。
 民営化の最大の目的の一つは官の金を民に流し、民の活力を増す、ということであったが、現実は民の金が国債という官に流れることになっている。

 米国の金融恐慌により、竹中平蔵(ここで自見氏の声は一段と高くなる)元郵政民営化担当大臣は、テレビで、日本郵政は米国の金融機関に出資せよ、と述べている。

 仮に国内の金融機関の資金が米国に流出すると、まさに10年前の金融恐慌が再現する。

 現在国内の民間銀行は100兆を超える国債を有しているが、ゆうちょ、かんぽ両者からの資金流出により国債の価格が低下し、これにより自己資本が下がる。
 これを補填するために貸出量を抑制、貸し渋り、貸しはがしの発生で中小企業は大打撃をこうむる構造になっている。

 仮に長期金利が1%上昇すると、貸し渋りは40兆円(民間銀行の貸出総額400兆の1割)と試算されている。これが実際に起こると、住宅ローンの金利は上昇し、中小企業は再び大打撃を受け、国民生活も大きな影響を受ける。

 米国の金融危機により、米国はゆうちょ、かんぽの200兆の金に目を付けることは当然考えられる。
 ゆうちょ、かんぽの全部の株式を現在は政府ひとり、財務大臣が持っているが、アソウ内閣の考え一つで、この金の行方は決まる。

 国民の汗の結晶である貴重な富が海外に流れる。これが、コイズミ・竹中政権が、まさに憲法違反とまで言われた選挙を強行し、郵政民営化をした真の目的ではないか。

「金融大臣にお訊きします」

 ゆうちょ銀行、かんぽ社に米国から支援要請は来ているのか?
 米国債の購入は許可されているが、資金が流出することを政府が認めるのか?
 米国政府から要望はあっているのか?
 来たらただちに公表するのか?

「このことをお尋ねいたします」

 郵政民営化問題はすでに終わったというのは、とんでもないことだ。

 郵政事業は、今や後期高齢者医療とともに、地域・弱者切り捨てという社会現象にすらなっている。

 民営化後1年、郵政3事業を4つの民間分社化した結果、4会社はいずれも経営基盤が弱体し、とりわけ郵便局会社はゆうちょ・かんぽの業務受託料に依存する極めて脆弱な基盤に立つことになった。

  このように世界でも類のない不自然な仕組みは、政治的に強行された結果、郵便局はなくしません、郵便局はもっと便利になります、このコイズミ元総理、竹中 元大臣の国会での再三の約束にもかかわらず、郵便局はすでに400を超える局がすでに閉鎖され、集配・特定郵便局は1000以上が全国で減らされた。

 郵便局がなくなり、遅配も多くなった。待ち時間が長くなった。手続が煩雑になった。
 不満は山積し、ゆうちょ・かんぽとも、資金の流出は止まらない。
 郵便貯金はひと月に1兆円資金が流出している。

 報道によれば最近、都道府県の消費者センターに郵便局関連の苦情相談が殺到していると聞いている。
 福田前総理も増田前総務大臣も、郵政ネットワークは必ず維持すると国会で再三にわたって確約した。
 それなのになぜか、政府はこれを無視した行動を止めさせないのか?
 
「野田消費者行政担当大臣にお訊きします。私の次に郵政大臣をされた人です」。

 苦情殺到はほんとうですか?
 苦情の数はどれほどあるか?
 どう対処しているか?
 郵便局における利用者の利便性は守られていると考えられているか?

 このような事態に至ったのは、郵政4分社化により、各社が利用者の利益より自社の利益を優先せざるを得なくなった結果である。

 拙速な郵政4分社化の体制は、早急に見直す必要がある。

 民営化をごり押しした自公政権でさえも、9月23日に締結した政権合意で、ユニバーサルサービスの確保、利便性の向上のための改善を行うと謳わなければならないほど、現実は、事態は深刻になっている。
 
 郵政民営化の動きはすでに滔々たる潮流になっている。
 我が国民新党の党是であり、統一会派を組んでいる民主党では、来るべき総選挙の公約、マニフェストにあげることになった。

 3党が連立で提出した「郵政株式処分凍結法案」は、この参議院では可決され、衆議院に行っているが継続審議となっている。
 
 次の選挙では賛否について全候補がその見解を問われることになると思う。

 郵政民営化の見直しは、けっして元の郵政公社に戻すというものではまったくない。

 あくまで郵政各社のサービスが全国あまねく国民本位の簡便な方法でできる仕組みを再構築するものである。

 郵政3事業の一体的サービスの提供を通じて、郵政事業の利便性と公益性を高め、地域社会を活性化することを目指す、真の国民のための改革を進めます。

「総理にお訊き致します」。

 郵政事業の現状をどう受けとめているか?
 4分社化の将来展望、特に郵便局会社について、どう考えているか?
 
(この後、後期高齢者医療制度に話しが移りました)

 以下はこの質疑に対するアソウ総理・中川金融大臣の答弁です。

アソウ総理:米国金融危機の原因と米国経済の今後について。

 今般の米国の金融危機は新しいビジネスモデル、証券化が拡大していく中で、金融機関がそのリスクを適切に管理できず、金融市場が機能不全に陥ったものである。

 金融市場の規律の確保が重要と考えている。

 米国では景気は弱含んでいて今後も金融市場の混乱による下向きのリスクがあることからその動向を周知していかねばならない

 総選挙を、米国大統領選挙後の11月4日後にすべきとの指摘があったが、日本外交の基軸は日米同盟であること、経済・文化などの面において、日本が米国と密接な関係にあることは指摘通り。
 
 しかしこれとわが国の衆議院総選挙をいつ行うかということはまったく別問題。

 郵政事業の現状等について尋ねられたが、現在民営化各社は新規サービスの展開を始め、民営化のメリットを発揮すべく、努力をしてきていると承知しているが、地域の住民などから様々な指摘をされていることも事実。

 民営化を成功させるためには特に3事業会社の窓口・接点となっている郵便局会社の経営基盤を確立することが重要と考えている。

 政府としては地域住民などの指摘を受け、民営化後の状況を十分に検証するような対応をとっていきたい。
 
中川財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融):わが国金融機関による海外金融機関との連携等に関する質問について。

 現下の金融情勢の下、わが国金融機関が海外金融機関に出資するなどの例が見られる。海外金融機関との連携を含め、どのような経営戦略をとるかについては、個々の金融機関が自らの判断で検討すべきと考えている
 
 したがって、政府が自らの問題として答える性質の問題ではない。
 
 いずれにしても、わが国金融機関が適切な経営管理、リスク監理の下で、状況に応じた的確な経営判断を行うことが重要である。

 ゆうちょ銀行・かんぽ生命に対する米国からの支援要請等についての質問について。

 個々の金融機関間のやりとりについて、政府が逐一自ら答える性質のものではない。

 なお、資産の運用はゆうちょ銀行・かんぽ生命の経営判断に基づき適切に行われるべきものである。
 
 また、支援要請があった場合に公表するかどうかも同様。

 ***答弁はここまで***

 私としては自見氏の、米国からの支援要請等についての質問財務大臣がどのように答えるのか関心があったのですが、結局、いともそっけない答弁に終わっています。

 民間企業のやることに政府は口出しはしないから、質問にも答えられない、とは郵政民営化に疑問を持つ人、あるいは反対をする人たちが一様に危惧していたことですが、その通りになってしまいましたね。

 また自見氏の質疑からは、国民新党と民主党が考えている郵政民営化見直しをどのような形に持っていこうとしているのかも知ることができました。
 私としては、元の国有に戻してほしいと思ってますが。

 それにしても竹中平蔵氏のお粗末さ。
 日本郵政は米国の金融機関に出資せよ、と大声で述べたこの方は、今の米国の金融危機を前にして、どんないいわけをするのでしょうか。

 さて、自見氏が質疑の中でふれた、コイズミ・竹中政権が、まさに憲法違反とまで言われて強行した選挙の結果とよく似たパターンだな、と思ったのは、2000年米国大統領選のカンザス州での有権者の投票行動です。

 貧困に喘ぐ農民や労働者の多いカンザスで、なぜ有権者の8割が大企業を優先し、イラク戦争、 経済政策、テロ対策で赤字を垂れ流す共和党のブッシュを選んだのか。

 昨日も取り上げた“What the Matter with Kansas?”(『カンザスはどうなっているか?』ただし、邦訳はありません)で、トーマス・フランクさんがその謎解きをしてくれたようです。私はまだ読んでいませんが。

 結果として有権者が自分で自分の首を絞めたのは、2005年9月11日のコイズミ郵政選挙と同じ。
 カンザスで保守派のターゲットとなった一群の人たちは、コイズミ郵政選挙ではB層と命名された人たちとかなり重なりそうです。

 また、共和党ブッシュ陣営は、2000年の大統領選では「労働者のような格好をして道徳や宗教を語っては住民の心 を捉えていった」のだそうです。

「『民 主党を支持する労働者はカーネ ル・サンダースを崇拝する鶏だ』と車にステッカーを貼ってガン・ ショーに出かける」共和党支持の労働者・農民は、9/11事件後、強硬な国際戦略を非難する 有識者たちを「売国奴のリベラル」と忌み嫌い、自ら愛国者を標榜」したのだとか。

 日本の場合も、反日とか何とか等の、似たような言葉が 使われたりしていて、保守化運動は戦前回帰とか復古主義とか表現されていますが、要するに明治憲法下の疑似絶対王政制度の社会へ戻そうとする意思があっ て、それをもとに日本会議等が日常的に活動しているのだ、と私は理解しています。

 日本会議はいわば右派のプラットホームのようなもので、保守の運動はそこから出てそこに帰ってくるのだとか。

 そんな保守化運動の中で、道徳、家族、教育の問題等が声高に叫ばれるのは、近いところでは中山成彬前国交相の言動にも表れていますね。
(もう、政界は引退するという話しですが、あまりの醜態に、選挙区宮崎でとどめを刺されたのでしょうか?)

 そして現総理アソウ太郎氏は、それまで彼を支持してきたマニアックな日本会議系の人脈・草の根会員だけでは足りないと判断し、タロウ氏本人のマンガ好きに目を付けて、アキバ系に代表される人たちにも的を絞る戦略を選びます。

 日本会議系・アキバ系。
 いずれも少々マニアックなところが特徴といえば特徴。

 それでも、「国民的人気」があると、メディアの力を借りて、かしましいほど宣伝。

 アベ・フクダの2代にわたる政権放り出しで棚からぼた餅が転がり落ちてきそうになったところで、札束攻勢をしたのか、それとも、人材の枯渇した自民党の最後の切り札と党員に思い込ませたか、とにかく4度目の正直で作戦成功。どうにか総裁の座を射止めたわけです。

 アソウ氏は地方の党員票を多く取り込んだという話しでしたが、「なんとなくアソウ氏のキャラクターを支持する」層が自民党にも多いのかな? と思ったものです。
 
 なになに、アソウ太郎氏は祖父吉田茂の薫陶よろしく、教育勅語を空んじることができる、現代ではきわめて稀有な人間ですって? 

 臣・吉田茂、とおじいちゃんは署名したらしいですから、アソウ氏もそのうちどこかで、臣・麻生太郎と署名するのでしょうか。
 

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改革September 26, 2008 1:34 pm

9月に入ってわが家周辺は、高規格道路から生活道路も含めて、道路工事が相次いでいます。
 道路工事の資金はよほど潤沢なんでしょうか。10年間で59兆ですものね。

 周辺の路地は、たしかにつぎはぎだらけがきれいになるのですが、そんな継ぎはぎだらけのでこぼこ路だって、それ以前は滑らかできれいな路面でした。
 おかしいのは、舗装がすんで半年とか1年とか経てばどんどんあちらこちらが掘り返され、継ぎはぎになってしまうこと。
 とにかく綺麗な路面より継ぎはぎでこぼこな路面の方が、圧倒的に長いのです。

 けれど、継ぎはぎでも見た目以外は問題なく使えます。別に困ってません。
 どうせきれいにしたって、すぐまたでこぼこにしてしまうのでしょうし。
 
 喉に刺さった魚の骨みたいな、この道路問題。
 ガソリン暫定税だって廃止が基本。この問題と併せて、何とかしてほしい。

 さて、話しは変わって、一般の総合病院からリハビリテーション病院に転院して1か月半になる叔母のこと。

 今日は転院後初めての検診予定です。
 でも、リハビリテーション病院には整形外科もありませんから、検診に行くこと自体が大変なのです。

 長年リウマチでステロイドその他の薬を飲んできましたし、寝て過ごすことの多かったことや年齢的なこともあるでしょう、胸椎・腰椎とうの背骨の骨折に悩んできました。
 コルセットをして横になっていればまだ樂なのですが、坐ること立つことに耐えられません。懸命に我慢して坐っても10分ももたない。

 そんなわけで、ストレッチャー式のタクシーを使います。
 で、これの料金がとても高い。叔父は、おばちゃんはずっと寝ているから、他にお金を使うことがないからね、と言って支払っていますが。

 それでも、検診で現在の骨の状態をみないことにはリハビリの計画も立てられないので、やはり行かねばなりません。
 
 で、ここ4、5日間、叔父の頭を悩ませたのは、後期高齢者医療制度のこと。
 より正確に言うと、後期高齢者医療保険証のこと、といえばいいのか、それとも国民健康保険証といえばいいのか。

 26日の検診が決まって以来、叔父は家中心当たりの場所はどこでも、押入から食器棚、テーブル、本棚、タンスなど、引き出しやら箱やらがあれば、どれもこれも開けてひっくり返して、何日も何日も、健康保険証を探し回ったわけです。

 1週間に1回、叔母の見舞いに行くときは心配で必ず叔父の様子も見に行きますから、行ってみると、やせ細った身体をいっそう小さくして、暗い表情で、実は保険証がないんよ、とぽつり。

 心配しないで、何か方法はあるはずだから……区役所に再発行を頼んだら、と私。
 再発行はすぐにはできないだろうし、窓口で無理を言うのは嫌だ、と叔父。

 商売をパリバリこなしていた叔父ですが、歳をとってすっかり気弱になって、近頃では必要なことも云わずにひとりで呑み込んだりすることがあります。

 大丈夫、検診に間に合うように私が言ってあげるから、という私の言葉で安心した叔父。

 こうして問い合わせて、本人であれば再発行までに使うものは窓口ですぐに作れることが分かり、喜んで区役所へ足を運んだ叔父でした。

 その日、うれしそうな叔父から私の所に電話が入りました。

 健康保険証はもともとなかったんだよ、と叔父。
 ええっ? といぶかりながらも相手の声が明るいことに私も心配はしなかったのですが、なあんだ、という結果に相成りました。

 後期高齢者医療制度ができたから、健康保険証は要らないんだよ。後期高齢者医療保険証を使うんだよ。そう、窓口で言われたよ、と叔父。
 ははははは、おじちゃんの骨折り損のくたびれもうけだね、と笑い飛ばした私。

 なんだい、なんだい、要らないことしてくれるから、感違いするじゃないか!

 こんな、保険証がないという年寄りの騒動や気苦労は全国のあちこちで見られたかもしれません。
 気弱になり、遠慮がちになったお年寄りが、言いたいこともいえず訊きたいことも訊かずに、ひとりで我慢しているようなことがあるかもしれません。

 で、桝添厚労相は再任決定前、この制度を見直すと、突然言い出しましたね。

「理念はしっかりしている」「75歳で区切るのは、医学的な意味がある」とか、言っていたのに。

 さらにここに来て、原爆症の集団訴訟についても河村官房長官が「一挙に解決すべきときに来ているのではないか」と述べ、舛添厚生労働大臣らと協議したうえで早期解決を目指すのだとか。
 
「こ の問題を長引かせないようにしたいという被爆者の思いを受け止めなければいけない。今までの国の方針は高等裁判所の結論を得たいという考え方だが、舛添厚 生労働大臣には、亡くなっていく人が多いことをどう考えるかが大事だと申し上げた……来月6日の控訴期限までに結論を出さないといけないので、それまでに 舛添大臣とも、1つの改革案をまとめようと言っている」

 という話し。

 あれあれ、総選挙前だからと言って、そう急に掌を返されても……。

 一夜漬けの受験勉強みたい。実力はわかりませんね。

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*追記;
 結局診察を受けた叔母はリハビリテーション病院から再度転院することになりました。つまり、現在の入院先から元の一般病院に再入院することになったわけです。
 診療報酬の関係から(と思われますが)治療の終わっていないままに転院してリハビリも満足にできなかったので、また治療を試みる、ということです。

改革September 6, 2008 10:11 am

ご存じでしょうか?

 竹中平蔵氏がダイヤモンド・オンラインで「消費しない20代が日本を滅ぼす!? 若者はサクセスストーリーを経験して積極的になれ!」と吠えているのを。

  1980年から88年生まれの20代、約1150万人を「とにかく楽が一番で傷つきたくない!? 『縮み思考』のミニマムライフ世代」と呼び、「将来に対 するリスクを過大に見積もる傾向がある」「サクセスストーリーをぜひとも経験してもらいたい」と評し、もっと積極的になれ、と主張しています。

 なにしろ、自動車販売台数や酒税の大きな落ち込みに、このミニマムライフ世代の買い控えが大きな影響を与えている、と言ってるわけです。

 そうかもしれないけれど、それをあなたに言ってもらいたくない! と思いませんか。

(なお、「対照的なのが団塊世代です」と竹中氏は断言してますが、私の周囲でそんな話し聞いたことがありません。
 わが家も含めて、現役を退いた後も生活防衛に徹しないと長い老後をやっていけない、という話しばかり。
 気を許した身内や親しい友人の間で、とにかく協力し合って乗り切らないといけないね、と話してます。なにしろ、高齢者のことでも、法整備を待っていられません)。

 で、この竹中氏の「20代はサクセスストーリーを経験しろ」ということばを聞けば、あの「再チャレンジ」という虚しい言葉を思い起こします。

 福祉削減、非正規雇用拡大の一方で、大企業には減税という構造改革を押し進めた立役者の言うべきことばか! と怒り心頭の心境。

 4日のasahi.comは、「自己破産した労働者、3分の2が非正規雇用 近畿6府県」と伝えています。

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  多重債務を抱えて自己破産した労働者110人の破産記録を分析したところ、全体の3分の2がパートや派遣など非正規雇用の人だったことが、近畿弁護士会 連合会の調べでわかった。うち4割は生活保護基準に満たない低賃金だった。不安定な雇用で働いているワーキングプア(働く貧困層)が、生活苦から借金に頼 らざるをえなくなっている実態が裏付けられた格好だ。

 

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・110人のうち正社員は35%で、残り65%はアルバイト、契約社員、派遣

・賞与や手当などを含む平均月収は20万円以下が72%、10万円以下も34%。非正規雇用に限ると10万円以下は54% 

・全体の32%は生活保護基準以下の月収しかなく、要保護状態。ただし、生活保護を受給している人はいなかった。

 

 これほど低収入だと、生活費にも困ります。例にあげられたのが大阪府内40歳の男性。


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月収7万~10万円の日雇い派遣で、信販会社などから生活費をたびたび借り入れ、滞納家賃を含む借金は約600万。尿管結石でも保険証がないため病院にも行けず、自己破産。

 

 

 

 20代は何とかなったとしても、30代、40代と年齢が高くなるにつれ、親からの援助は難しくなります。そして生活費を借金に頼らざるをえなくなれば、結果は分かりきったことに。

 


  ごく一般的な家庭にとって、親世代子世代ともに生活防衛に走らざるをえないのが実状ではないでしょうか。                                                                                      

 まあ、至極単純に考えれば、「消費しない20代が日本を滅ぼす」という竹中氏の論理は、

《コイズミ・竹中改革 → 貧困層の拡大 → 生活防衛不可避》ということから、日本はいよいよ沈んでいく、ということになります。

 他人事ですからいとも簡単に「サクセスストーリーを経験しろ」といえるのでしょうが、シュリンク世代が一層シュリンクすることを推進した竹中氏には、その責任をまず自覚してほしい、と思います。

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改革July 24, 2008 9:08 pm

また東北で地震が起きましたね。前回の岩手・宮城内陸地震からたった40日しか経たずに震度6強とは、被災地の方々のお疲れはいかばかりでしょう。お見舞い申し上げます。

 さて、昨日は以前からいろいろ手伝いをしている叔母の転院日でした。昨年の大晦日に尿路感染で入院してもう半年を過ぎてました。
  はじめの1、2か月は何度か生死の境をさまよいましたが4月には内科的には問題がないまでに回復。本人の強い意志もあり、リウマチの痛み、圧迫骨折の痛み が続きながらもリハビリ病棟に移りました。何度か症状が悪化してリハビリを中断しながらもある程度まで骨も安定。それでもまだ家庭に帰るには不安が残る、 ということで新たなリハビリ施設へ移ったわけです。

「介護療養型病床」というのでしょうか。それまでの総合病院のリハビリ病棟とはちょっと違う印象ですが、入院1日目ではどこがどう異なるかよく分かりません。これから注意して見ていきましょう。

 ちなみに84歳になる叔父の方は妻の転院付き添いこそすれ、衰えも激しく、30分以上身体を立てて行動するのはとても苦痛な様子。入院直後のソーシャルワーカーとの話し合いまでは体が持ちません。
 叔母の介護にも、こうした転院の際も、とても戦力になりません。

 子どものいないこの夫婦はお互い歳をとって互いにいたわり合う気持がとても深くなり傍から見ていて気持ち良いほどなのですが、やはり男のわがままを通してきた人。妻のいない自宅の生活にはひどく不自由をしています。

 それにしても叔母の入院、転院、何度かのソーシャルワーカーと内科医師、リハビリ医師の話し合い等を経験したものの、現在の医療制度がいまひとつ分かりません。

 コロコロ変わる複雑怪奇な医療制度は、どなたかがぽろっとこぼしてましたが、医師の方もよく分からず、「えっ、いつ変わったの?!」という声をあげたりするのだとか。

  夫のもう1人の叔母が入院する整形外科・リウマチ科の病院はスポーツリハビリテーションまで行う新しくてきれいな施設にスタッフも充実しているのですが、 なにしろ医療費以外の費用、つまり保険のきかない費用がかなりかかります。それでも先述の叔母のところなら無理なく払える額ですが、どいういうわけかトイ レの入り口には数段の階段があります。

 ということは、車いすに乗って用を足しに行くような重症患者は最初から拒否している、ということでしょうか。
 見舞いに行っても病院独特の薬臭さや病人の匂いがなく、まるでホテルのようです。評判も良くて、これまで何人もの人から、良くなった、と喜びの声を聞いて来ました。
 繁盛ぶりを見ると、これからはこんな病院が増えてくるのかもしれない、などと考えたりします。

 たしかに軽度のうちに直すというのはとても大切なことだと思います。でもそれには費用が結構かかりますね。おそらく蓄えのない上に国民年金だけで暮らしている人にとっては負担できないでしょう。
 それに先述の叔母のように、現に重度になっているものにとってはどうしようもありません。

 特に年寄りの場合次第に重くなっていくのも仕方のないことですし、今、本人も家族も四苦八苦しているような人にとって、頼りになるのは介護保険しかありません。
 介護保険でカバーできないところは自己負担で介護を頼むことになりますが、ある程度蓄えがあっても無限ではありません。これから何年そんな生活が続くのか? と考えると、出費を渋る気持にもなるようです。
 介護にお金はつきものです。要介護度が高ければ、施設入所にもずいぶん費用がかさみますしね。

 ケセラセラ、なるようになる、と笑い飛ばせるのも若いうち。安心して年取ることもままならぬ、というところです。

 若ものは非正規雇用に翻弄され、年寄りは医療・介護制度に呻吟する。

 政治の出番だ、といっても政権と与党は消費税増税しか口にしない。
 
  時事通信社の10-13日実施の世論調査での消費税引き上げについて「賛成」と答えた人は「どちらかといえば賛成」(29.9%)を含め計42.2%、と いう数字を見たときはびっくりしました。4割以上もの人が賛成とは! 政府のみならずメディアあげてのキャンペーンに疑いを持たない人の多さを物語ってい ますね。

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Uncategorized, 改革June 26, 2008 12:08 am

私も一言! 夕方ニュース」では昨日に引き続き日雇い派遣労働がテーマで、リスナーからのメールを読んでました。
 その中で、驚いてあっと声をあげそうになりながらも、“さもありなん”と感じたこと。

 妊娠した女性が、仕事をしたかったら中絶しろ、と派遣会社にいわれ、その衝撃で流産してしまい、結局郷里に帰った、という話し。

  派遣に限らず、私の若い時代、60~70年代には似たような話はけっこう聞いていました。流産までは記憶にありませんが、一般企業では、妊娠してもまだ働 くのか、と言われる以前に、結婚しても働こうとするにはかなり度胸というか根性が必要でした。私自身、結婚したのだからパートになれば、と組合役員にわざ わざ呼ばれてご忠言されましたし。

 まあ、へそ曲がりだったこともありまして、もちろんその提案は一蹴。それ以上は会社も組合も言えませんでした。
 でも結局、子どもが産まれてから周囲に頼る人もなく、保育園もなく、個人的に頼むほど収入も良くなく、仕事を辞めて専業主婦になりましたが、しばらくは悪あがきをしました。
 そして30代になるかならない時に夫の親が寝込み、介護の手が必要になり……と、絵に描いたような“女の一生”が待っていたわけです。

 まあ、そんな愚痴話は置いておきまして話しを戻すと、雇用される側が声をあげなければ、雇用する側はいつでも使いやすいように、やり易いように資本の論理に従って働かせようとするわけです。

『蟹工船』が若い人たちに読まれていることを知って記事にしたこともありますが、蟹工船と同時に『女工哀史』も戦前の苛酷な労働を描いたとして有名ですよね。

 そもそも日本で近代工業が産声を上げた時代の富岡製糸場は、旧士族出身の優秀な女性が働いたことが知られています。
 ここで技術を学んだ女性たちは故郷に帰って指導者となったらしいのですが、1872年の富岡製糸場が操業を始めてから53年後の1925年には『女工哀史』が刊行されています。

『女工哀史』を書いた細井和喜蔵が働いた工場はこの製糸場ではありませんが、それでもこの50年の間に、日本の紡績産業の間ではいったい何があったのだ? と考えてしまうほど、創業当時の富岡製糸場で働いた女性たちと女工哀史に描かれた女性たちの姿の違いに愕然とします。

 知り合いの古老のお話では、その昔、昭和の初め頃でしょうか、九州の田舎からも大阪の紡績工場へ働きに行く女性が大勢いたのだそうです。
  そして工場での無理な労働がたたって肺結核になり、親が引き取りに行ったそうですが、間に合わずに娘さんは死亡していたり、負ぶわれた父親の背中で息絶え たり、とにかく紡績工場に行くとみんながみんなと言っていいほど、結核に罹る女性が後を絶たなかったのだとか。当然ですよね、感染しますから。

  その古老のお姉様もやはり働きに行ったものの結核になって故郷へ戻ったそうですが、今度はそこで弟妹たちがつぎつぎに発病。お姉様はなんとか治ったものの すぐ下の妹さんがそれが元でなくなり、話しをしてくれたご本人もその後15年間床に寝付くことになったのだ、ということでした。

 本人の栄養状態も悪い上に劣悪の環境で長時間働かされて20歳前後の女性たちが次々に結核に倒れるなど、どう考えても許されることではないわけですが、当時雇用する側はそれを当たり前のこととして、改める気などなかったのだろうと想像します。
 一人が病気になっても代わりはいくらでもいる、ということでしょう?

 で、戦後の1947(昭和22)年には労働基準法ができあがっていますから、その後は“哀史”のようなことはなかっただろう、と考えるかもしれませんが、そうではないこともあったのが私たちの国の歴史です。

 たしか紡績工場の女性たちが私信まであらためられて、つまり私的な手紙まで開封されて内容を調べられた等々の不満がつのり争議が起こったのが1954(昭和29)年のことでした。
 これについては厚労省のサイト、おそらく労働白書でしょう、もう少し詳しい解説があります。

 争議の要求事項の中には、仏教強制反対、信書の自由、結婚の自由等まであったことが現代では信じられないほどです。でも、たしかにあったのです。

 そうした先人たちの苦労が重ねられて、これまで働く人が守られてきたのだろう、と今さらながらに思います。
 私が早々に諦めてしまった、家庭を維持しながら社会に出て働くということを歯を食いしばりながらやり遂げた女性も多いと思います。もう、それだけで私など尊敬してしまいます。

 で、とにかく、必ずしも利益を上げていたわけではない官営富岡製糸場は創業からほぼ20年後の1893年に三井に払い下げられ、その後、原合名会社、片倉製糸紡績会社へと次々に譲渡されていったようです。

 明治版民営化の後にこの工場の経営や働く環境がどうなっていったのかは私にはさっぱり分かりませんが、日本の紡績産業の場は、50年後には『女工哀史』に書かれたようなものになっていたということ。
 戦後もしばらくはその名残が現実にあった、ということ。

 派遣については、改革だ、改正だ、と言いながら平然と規制を取っ払ってきた政府と国会、特にコイズミ・竹中コンビの2004年の派遣法改定は罪が大きいですよね。
 それまで積み重ねてきたものを壊してしまったのですから。

 真面目にぎりぎりまで耐えてどうにもならなくなって、やっと少しずつ声が出始めたのが昨年あたりからでしょうか。

 まだ素朴に、世の中は良くなっていく、未来は明るい、と信じていた中学生の頃、まさかこんな風に働き方が問題になるような社会が来るとは思ってもみませんでした。

     
     
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改革June 17, 2008 8:42 pm

今日17日の毎日によると、高齢化や終末期医療を医療費増の原因とする説には根拠はない、と医療経済学の専門家は明言するそうです。

 高齢化が医療費を増やすように見えるのは見かけの関係で、医療費の増加率は国民所得の増加率で決まるとは、米国の医療経済学者ゲッツェンの研究成果らしい。 
 で、このことはどの国でも成立するそうで、結局、医療費の額は、社会のパイの中からどれだけ使うかという政治的な判断で決まる、ということです。

 で、先進7か国の中で日本は最も高齢化率が高いくせに、国内総生産(GDP)比でみた医療費は最も少ないんですって。
 持ってるくせに使わない、要するにケチ。道路にはじゃんじゃん使うけれど、医療費には使わない、というのが日本政府の政策スタンス、ということになりそうです。

 2002年の死亡者の死亡前1か月の医療費は約9,000億で、国民医療費の約3%。
 患者の8割は軽い病気で、使っている医療費は2割ほどなので、風邪などの軽い病気を保険の対象外にするというのも大した削減効果はない。

 2025年度の国民医療費が現在の倍の65兆円になる、という政府の主張もまやかしのようです。
 今から17年後に、同じ100円で何が買えるのか、誰にも分からない、ということ。
 
 おまけに、この厚労省の試算65兆円も、日本医師会の試算では49兆円。

 行政の試算というものがいい加減なことは、すでに私たちは経験済みです。
 国も地方自治体も、なにかイベントをしよう、空港を作ろう、等々言い始めると来場者数や利用客数の予想をぶち上げますが、それがあたらないことなんて、ほぼ常識。なぜって、始めに計画ありきだから。

 巨額の予算を使って計画・遂行するには、来場者・利用客をどれだけ集める必要があるか、ということからはじき出したのが予想数ではないか、と私は理解しています。
 ですから予想来場者数・予想利用客数ではなく、希望来場者数・希望利用客数ではないか、と。

 それでも国民のため、住民のためであれば、それでよいのです。そもそも、利益を見込めないが国民・住民の福祉、つまり公共の福祉のために必要だ、ということで公的な事業が認められるわけですから。
 ところが、今、私たち有権者/納税者は、ほんとうに公共の福祉のためにこれだけの、あるいはそれほどの税金が使われているのだろうか? と疑念を抱いているわけです。

 で、出てくる資料といえば、この疑念を補強するものばかり、ということになっているわけです。
 政治不信、ここに極まれり、というところで、それでも相も変わらぬ政府の対応にほとほとイヤになるのです。恥の上塗りではなく疑惑の上塗り。

 とにかく、

 25年度の65兆円は国民所得の12~13.2%と推計されるが。04年度でも医療費は国民所得の8.9%。経済成長で国の「財布」の大きさも変わるため、名目額は倍増でも実質額はそれほど増えない、

 と専門家は説明しています。

 なんでも、「このまま医療費が増え続ければ国家がつぶれる」という「医療費亡国論」は83年当時の厚生省保険局長故吉村仁氏が唱えたそうです。

 84年には事務次官となり、86年に退官。同じ年56歳の若さで亡くなったようですが、病身をおして今に至る医療改革に邁進した、と聞くと何やら硬骨漢ぽく思われますが、「武見天皇」と呼ばれていた武見太郎の死去(83年)で、“医療改革”断行が可能になったのだとか。

 無料だったサラリーマンの医療費を2割負担にしたのもこの吉村氏の功績? だったそうです。

 そういえば、うっすらとそんな記憶が引き出されてきました。
 この厚生官僚吉村氏と医師会会長武見太郎氏との衝突がある前から、新聞等でなにかと武見太郎氏の傲岸不遜ぶりが話題になってましたし。
 おふたりとも、もうほとんど伝説上の人で実際のところはよくわかりません。
 でも25年かかって、今の医療崩壊に至ったのは事実ですね。

 こちらに当時の事情が記されています。

  
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 7月12日の築地市場移転反対デモが盛り上がってほしい。

 こんな風だったらいいなあ。こんなのもあるけれど、子どもも参加できる様に準備が進められています。デモ当日は、プラカードなど持ち寄って楽しく参加しましょう、とのことです。

改革June 14, 2008 10:13 am

原油高騰、食料危機、そして物価上昇の大きな元凶の一つがファンドマネーだ、と言われているわけですが、そのファンドマネーの1/4が日本のものだそうです。今朝の日テレ、ウェーク・アップでの寺島実郎さんのお話でした。例の如く、私のちょっと見でしたが。

 う~ん、としばし言うべきことばが見つからない。
 日本の金利が低く抑えられたため、投資が海外に向かったの? と考えたら、

日本が21世紀初頭から続けている実質金利ゼロの円安誘導政策が、世界の過剰流動性を引き起こし、株価の乱高下や、今回の原油、あるいは、食物への投機の流れの原因となっているのです。
日本が低金利で資金を融資し、投機資金が原油を買い込んで日本経済を脅かす、という、日本が自分で自分の首を絞める構図になっているのです。

 
                                                                                                               
 と、べそ書きpaintboxさんが今年の1月に書かれているのを見つけました。

 そういえば、貯金をしていても利子がつかないから、海外のなんとかを買って、いくらもうけたよ、などと友人から聞いたのはかなり前の話しです。
 その後も周辺で、海外投資話はときどき耳にしました。
 私のところにも、どこぞの投資会社から勧誘の電話がいく度か、かかりました。
 金融の方面にはまったく関心がないので、そんな話に乗ることは皆無でしたが。

 しかし何年も前から、証券会社は当然のこと、町の普通の金融機関、つまり銀行もファンドに顧客を誘っていますよね。
 で、個人投資家がその誘いに乗る理由は、やはり利子がほとんどないから。貯金を眠らせておくだけではもったいない、というもの。最近の物価上昇では、老後資金にと思って懸命に貯えたものも目減りするばかりですものね。

 庶民のお金もファンドに流れ込んでいるのでしょうが、大口の個人は別にして、庶民の資産はたかが知れています。けれど、年金基金や証券会社、銀行等に預けたささやかな個人投資も、塵も積もれば山となるのでしょうか。

 エネルギー白書によると、世界中で運用されている資産は、オイルマネー1.5兆ドル、年金資産17兆ドル、新興国マネー等があるそうです。また、原油市場に流入する投資資金として、世界最大の公的年金、カリフォルニア州職員退職年金基金の例があげられています。

 日本の年金基金も、その一部が原油市場や穀物市場に流入しているようです。
 そのうち、ゆうちょ・かんぽからの資金も入る可能性だってあります。
 ちなみに、ゆうちょ・かんぽの資産は2005年当時いわれていた340兆より目減りしているとはいえ、この春でまだおよそ300兆円あります。
 1ドル100円の単純計算でも、3兆ドル。う~む、オイルマネーよりもすごい。。

 6月に入り、「原油高騰に、ほんとうに対策はないのですか?」という記事をアップしましたが、単純に、金利を上げることも対策の一つになるのかな、と考えました。どうなのかな? と考えていると、さきほどのpaintboxさんがさらに書かれていました。

日本が低金利を維持すれば、日本は米国と共倒れになります。
日本が低金利から高金利に移行すれば、米国経済に大きな打撃を与え、ドルは暴落するかも知れません。
しかし、原油価格が円ベースで暴騰することを抑えることができれば良いのです。
もともとの政策判断ミスは、米国のイラク開戦を日本が支持してしまったことにあるのです。

円安だったから、輸出企業が何とか頑張れたのだ、という人がいると思います。
しかし、円安は、単に日本人が汗水垂らして働いて、世界に向けて大バーゲン・セールをした、ということでしかありません。
世界は、優れた日本製品を廉価で購入できて恩恵を受けたかも知れませんが、輸出企業がその利益を国内消費を活性化させる方に回さないので、国内景気は盛り上がらず、日本人は円安であるが故に、高い原油を買わされるハメになるのです。
言ってみれば、円安のために、日本全体がワーキング・プアになっているのです。
国民一人当たりのGDPの順位が低下しているのも、円安だからであって、実力通りのレートであれば、日本人は働いた分だけリッチでいられたはずなのです。

 

 この低金利政策の立役者はコイズミ=竹中コンビ。

 結局、この2人は、日本のみならず世界の経済を引っかき回してくれた、ということになるのかな。
 

『蟹工船』が読まれている話題については最近ふれましたが、あの石川啄木の詩、

 働けど働けどなお 我暮らし 楽にならざり じっと手を見る

 が、私たちの心に迫ってきませんか。


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改革June 12, 2008 10:11 am

昨日に引き続き、家人のつけたテレビに何気なく目をやると、鳥越さんの発言中。
 コイズミ内閣の規制緩和の一環として2004年の派遣業の改定で派遣労働が広がったことをあらためて指摘していました。
 郵政民営化もあげ、コイズミ改革のなかで間違っていたことは手直しすべきだ、と。

 これにすぐさま異を唱えたのが、30代か、と思われるニッセイなんとか研究所の女性エコノミスト。常連らしい若い弁護士もそれに同調。
 規制強化をすれば企業活動が成りたたなくなる、せっかく持ち直した景気が悪くなる、とかなんとか。

 どうもここ何日か、この番組では派遣労働を巡って二つの見解がぶつかりあっていたようです。

 派遣労働の規制に反対する企業人、エコノミストたちは、こうした派遣労働から生じる問題をはじめから予想していたのではないか。
 競争社会を生き延びれないものは切り捨てるより他ない、能力がないのだ、努力が足りないのだ。それに比べて僕/私は、努力も怠らなかった、おかげで今の地位がある、企業と経済の発展のためには多少の犠牲はかまわない、と考えているのではないか。

 そんな気がしました。

 自分一人の力で今の自分があると自負して、時には傲慢さが鼻をつくような人がときどきいますね。
 どれだけ周囲の人に助けられ、見守られてきたか、気づきもしないのでしょう。 

 私は見落としたのですが、昨日この番組で、白石真澄関西大教授が、

「いまや働く人の30数%がこうした非正規雇用で、それを規制強化すると企業活動は成り立たないと思う」
「こういう(非正規の)人たちの犯罪確率が高いという科学的根拠もなく、派遣そのものが悪いとして規制する方向は間違ってる」

 と言ったそうです。

 科学的根拠がない、と言われるともっともらしく聞こえますが、この先生も一番大事なことを忘れているのです。

 何よりも問題は、この派遣労働がとても非人間的な働き方だ、ということ。
 わかものの心と体を蝕む恐れが高いこと。

 白石先生は、これから先も派遣労働を野放し同然にして、どの程度の派遣の働き方で、どの程度犯罪を犯しやすくなるのか、データを集めろ、とでもいうのでしょうか。
 人の心と体は、一度壊れると、壊れるまでに至らないときでも、回復にどれだけの時間とエネルギーがかかることでしょう。

 私たち日本人は、人間よりも企業利益を優先した企業犯罪を水俣病とかイタイイタイ病、四日市ゼンソク、新潟水俣病等々で学んだのではなかったでしょうか。

 水俣で奇病が発生したとき、時の行政や学者はどんな対応をしたでしょうか。
「そのメカニズムが解明されるまでは、水俣湾の魚を食べるのを禁止させるわけにはいかない」と結論した厚生省が依頼した学者委員の先生たちは、恥を知るべきでしょう。

 
 さて、話題は変わり、アフガニスタンへの自衛隊派遣を目論む政府が、外務・ 防衛両省職員、自衛官らによる合同調査団を8日現地に送ったこと。

 ……首都カブールのほか、物資の空輸活動や道路補修などインフラ整備の支援活動を想定し、地方都市も視察する。
 政府は早ければ8月後半にも召集される臨時国会を視野に、アフガン本土への自衛隊派遣実現に向けた法整備の検討に着手しており、早期に現地情勢を把握する必要があると判断した。
 …… 
 
                                                                                                 
 来年1月には新テロ対策特措法が期限切れになるため、給油活動の継続とアフガン本土での活動を目的とした法案を意図しているようです。

 それにしても、もう自民・公明が支える米国の“対テロ戦争”協力はメチャクチャです。
 いったい、私たちのこの国をどうしよう、というのでしょう。

 
  つい、この10日も、パキスタン北西部の部族支配地域で、パキスタン治安部隊とアフガン軍などとの間で激しい戦 闘があったばかりです。

 ……パキスタン軍は11日、同国側少なくとも11人の死亡が確認されたとし、「(アフガンに駐留する)米軍など連合軍が 理由もなく卑劣な攻撃を仕掛けてきた。対テロ戦争の同盟関係を損なう行為だ」と激しく非難した。

 国境付近では過去にも両国部隊間で小競り合いが起きたことはあるが、パキスタン側が米軍主導の連合軍を非難するのは異例。アフガン当局や連合軍などからのコメントは出されていない。
 パキスタン軍によると、パキスタン側にある治安部隊の国境検問所が10日夕、アフガン連合軍数百人によって攻撃を受けた。治安部隊約40人が銃などで応戦、戦闘は深夜まで続き、数十人が行方不明になったとしている。
 攻撃を受けたとされる検問所について、アフガン政府は「アフガン領土内にある」と撤去を求めてきた経緯がある。

(*12日の毎日朝刊には、
「現地の報道では、現場は両国が国境の位置を巡り争っている地域で、検問所を設営しようとしたアフガン軍をパキスタン治安部隊が阻止し、アフガン側が攻撃し戦闘に発展。劣性の治安部隊をパキスタン側武装勢力が支援したことから、米軍機が空爆したという」
 とあります。 byとむ丸)

  国境地帯を拠点とする武装勢力との和平協定締結交渉を進めるパキスタンのギラニ内閣に対し、アフガン、米国政府などはアフガンで武装勢力の攻撃が 増えたと指摘し、「パキスタン側が武装勢力の越境を黙認している」と批判し続けている。パキスタン政府は黙認を否定しており、今後、国境の軍事的緊張が高 まる可能性がある。

(毎日 6月11日) 
 
 
 
 このアフガン・パキスタンの衝突から米軍の空爆に至った出来事についてはBBCもアルジャジーラも大きく取り上げています。

 米軍は、タリバン系武装組織との衝突で攻撃の的になった末の行動だ、正当防衛だ、と主張し、国務省は、(11人のパキスタン兵士の死は)遺憾だが、兵站線の確保に必要なことだった、と弁明。

 パキスタン軍はそれよりも先に、「(米軍の)正当な理由のない卑劣な行動の結果だ」と怒る。

 米軍はビデオを公開したが、画面が粗く、モノクロで、小人数の一団の男たちが尾根から連合軍めがけて小型武器と携行式ロケット弾を発射しているのが映っているだけ……しかも下の谷には連合軍の姿は写っていない、とビデオを見せられた記者たちは語る。 

 パキスタン政府は米国大使を呼びつけ直接抗議をした。             

 
                                                                                        
 前々から話しにはきいてましたが、ひどいものです。めちゃくちゃです。もちろん、米軍が、ですよ。

パキスタン、国境を奇襲した米国を非難
米国:国境の奇襲は正当防衛だ

 等のアルジャジーラの記事はもっと生々しいです。

 なお、こちらのBBCの記事には、死亡したパキスタンの兵士11人の葬儀のもようが載っています。

 それでもノー天気なブッシュ・ジュニア大統領は訪問先のドイツで、

 ボク、イラク戦争のことは全然後悔なんかしてないよ。サダム・フセインがいなくなって、世界は安全になったんだ、とかなんとか言ってるようです。

 いや、サダム・フセインよりも誰よりも、君が世界で一番危険な人物なんだよ、と言ってあげたい。

 それでも日本政府は、この人たちの後をついていこうというのでしょうか。

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改革June 7, 2008 1:02 pm

妙な話です。

  日本経団連は、消費税率の引き上げに合わせて所得税の減免措置も講じる税制改革案を提示する。子育て世代への税負担軽減に加え、75歳以上の高齢者の給与 所得などを非課税とすることを検討し、7月にも提言をまとめる。75歳以上を対象にスタートした後期高齢者医療 制度に対して「姥捨て山」との批判が高まる中での提案は、与野党の税制論議にも大きな影響を与えそうだ。

 75歳以上の高齢者が、給与や事業から得た所得を非課税にするよう要望する。一律的な優遇措置の導入には「富裕層を過度に優遇する」との批判が予想されるため、株式の売買や配当など投資収益については、税制優遇の提言は行わないとみられる。

 ……

(6月5日 毎日)

 
   
 なんでも御手洗会長によると、安定した社会保障制度の確立のためには消費税引き上げが必要で、「経済へのインパクトを最小限に抑えるために」減税も検討しろ、ということらしい。


 なっなっ、何なの? と思わずどもりそうになってしまったこの経団連の提言。

 消費税を上げろ、と主張する後ろめたさから、子育て世代と後期高齢者には一律減税を! といってるのでしょうか。

 75歳を過ぎてもなお給与所得のある人はいるんですね。
 また、「商工業者、農漁業者、医師、弁護士、俳優、競馬騎手などのように、事業を営んでいる人のその事業から生ずる所得」と国税庁のHPに説明されているのが事業所得。
 このどちらも、金額にしてみればきっと千差万別でしょう。

 一律に75歳以上を後期高齢者という別枠の医療制度で括ったのも、一律に75歳以上を優遇する税制、というのも簡単明瞭のようで、どうもどこかに落とし穴がありそう。 
 単に、姥捨て山制度の評判が悪いからと、かぎ裂きしたところにあて布を当てて、それも色違いのあて布を当てて繕うみたい。

 子育て世代はお金がかかるから、年寄りは医療費を負担してもらわないといけないから、と優遇する。だから消費税を上げても文句を言うな、と言われているようでなんとも違和感を覚えます。
 つぎはぎだらけの税制が、どうもおかしい。

 
 とはいっても、消費税率の引き上げが“税制抜本改革の焦点”と言われたら、それもまたおかしい。
  これについては、「今年の税の議論は例年より早くやらざるをえない」「7月ぐらいになったら一度自民党の関係者全員が集まって、どうするのか相談を始めな くてはいけない」と、自民党税制調査会小委員長であり、かつ財政改革委員会会長でもある与謝野馨氏は、先週木曜(5日)に語ったらしいですが。 

 もともとこの与謝野氏は、谷垣氏といっしょに消費税を上げろ論者ですよね。

 今回は数パーセント税率を上げろ、と言ってますが、たしか、このお二人の過去の発言をふり返ると、それだけではなかったと記憶しています。将来は18%まで上げよう、などという話しがなかったですかね?

「責任政党」として増税議論をするのだとか、「抜本税制改革」だとかいう勇ましい言葉は、単に有権者に好印象を与えるべく振りまく愛想のようなものでしょっ?

  自民党や公明党のしてきたことを考えると、控えめに言っても“責任”政党は言いすぎでしょうし、消費税を数~5%上げて抜本税制改革だなんて、コイズミ、 安倍、フクダ、とトップの名前は変わっても、言葉の本来の意味を逆さにしたキャッチフレーズを作る手法は、まったく変わりませんね。 

 消費税で増税する前に、するべきことはたくさんあるでしょっ。 

 子育て世代は、子どもの養育・教育に出費がかさみます。
 大学卒業まで教育費のかからないフランスやドイツなどのことを考えると、生活に必要な経費が全然違うでしょう。将来は付加価値税なみに消費税を上げようという考えもおかしい。

  なお付加価値税にはゼロ税率などというものがあり、生活に密着した消費には課税をしても税率がゼロとなっています。
 このゼロ税率対象品目、イギリスの例では、食品から上下水道料、書籍代、建物の建設等々は多岐にわたり、実に16グループに区分けされているわけです。

 単一税率を取っている日本(5%)や韓国(10%)の方が世界ではまれで、大半の国でゼロ税率を含む複数税率をとっているそうです。
 すべての消費に一律にかかって逆累進制が指摘されている日本の消費税。なぜ複数税率がとられないのでしょう?

 なるべく手軽に、とりやすい所からとる、というのが日本政府の徴税哲学のようです。

 

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改革June 2, 2008 12:56 pm

JMM5月26日配信分のタイトルは「郵政民営化の波及効果は?」でした。

 編集長村上龍氏の「郵政民営化から約半年が経過しましたが、どのような波及効果があったのでしょうか」という質問に対する以下6名の金融専門家の回答です。

真壁昭夫  :信州大学経済学部教授
菊地正俊  :メリルリンチ日本証券 ストラテジスト
山崎元   :経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員
杉岡秋美  :生命保険関連会社勤務
津田栄   :経済評論家
土居丈朗  :慶應義塾大学経済学部准教授

 金融専門家たちは郵政民営化をどう見ているのでしょうか。
 私には山崎元氏のゆうちょ銀行・かんぽ生命が実力の伴わない賭に出ないようにしっかり監視することが大切、という指摘にうなずいておりますが。

【真壁昭夫】

 目に映る範囲での波及効果は少ない。

が、郵便事業会社:予想収益を上方修正
  郵便局会社:収益予想を大幅に下方修正
  →決算の数字が表に出る意義は大きい。組織のカルチャーも変わっていくだろう。
 
 ゆうちょ銀行:2月、民間の大手企業向けの協調融資に参加
        →民間部門に配分されるルートができた

 日本郵政会社:コンビニと共同店舗を開設

 ↓↓

 事業会社自身の合理化・効率化
 これまで合理性の原理が通用しなかった部分に、少しずつ経済合理性の考え方がしみ始めている。

【菊池正俊】

 今は大きく変わったように見えない日本郵政も、年月を経て、民営化の果実が出てくるだろう。

 ゆうちょ銀行:ゆうちょ残高の減少、投信販売の増加
  残高 186.9兆円(2007年10月末)
      181.4兆円(2008年3月末)
       → マイナス5.5兆円

 かんぽ生保:
  総資産 112.8兆円(2007年10月末)
        110.8兆円(2008年2月末)
         → マイナス2兆円

 このマイナス分は民間銀行へ。
 特に地銀に。また定期預金に行っている。

 資金流出に頭を悩ますゆうちょ銀行は、4月に流動性預金の限度額規制(1人あたり1,000万円)撤廃の政令改正要望を行ったが、 決定までには時間がかかるだろう。
 2月に新日本製鐵向けにシンジケートローンで企業向け融資に初参加(真壁氏のいう「民間の大手企業向けの協調融資に参加 」のことでしょう)

 かんぽ生保は日本生命と商品開発や事務・システム業務等で業務提携。

 ゆうちょ銀行・かんぽ生保ともに将来の完全民営化に向けて、収益力を高める必要から、徐々に積極的な資金運用に出ている。
 郵政民営化が他の金融機関に与える影響はこれから出てくる。

【山崎元】

 郵便貯金から財政投融資に半ば自動的に流れるお金の流れを断ち切り、財政投融資に規律を持たせるという小泉純一郎首相(当時)の民営化論の主旨は、すでに郵政公社の財投預託義務が解消された時点(2001年)で、制度的には解決していた(では、コイズミ純一郎氏は何を言っていたのでしょうか? ほんとにあの2005年の選挙はメチャクチャです)。

 郵政民営化というテーマが日本にもたらした最大の影響は、2005年の郵政民営化法案の参院での否決によって衆院解散総選挙が行われ、与党が大勝したこと。
 これによって妙な政治状況がもたらされた。

 郵便貯金は種々の利点を失い、民間銀行として此を維持するのは大きなリスクがあると考えられた。本来、廃止を決定すべきだった。
 近い将来、国債と民間銀行の預金金利が上昇すれば、ゆうちょ銀行の経営は苦しくなるはず。

 簡易保険についても、日本の民間生保会社の商品では保障にも貯蓄にも使われない保険会社の経費に充当される保険料があまりにも高いことを考えると、民間の保険会社間の競争が重要で、簡易保険を残すことはなかった。

    ↓

 理想的には、郵便事業が民営化されて自由競争の下で効率化され、郵貯と簡保は極力速やかな縮小廃止に決まるのが良かった。

 ゆうちょ・かんぽ双方についての心配は、資産の運用面で過大なリスクとコストを掛けて、無理をする可能性

 過大なリスクとは、

 判断能力が伴わない貸し出しの拡大、不動産担保ローンへの集中、ヘッジファンドや新型金融商品への投資、株式やリスキーな債券での運用、本業以外への経営多角化

 外資の買収・支配については、買い手にとって妙味が生じるのは業績が悪化して株価がそれに過剰反応するときなので、買収・支配以前に問題になることは、身売りやリストラを怖れた両社が、必死で実力の伴わない賭に出る可能性だ。

 短期的な収益の重視といった利用者にとっても不具合の可能性は、法令整備であらかじめ対策すべきだ。

 ネガティブ名情報が聞こえにくい状況なので、資産運用などで前向きな試みを発表しているような状況でこそ、将来の苦境の為が撒かれているのではないかと、疑い深い目をもって監視していくことが重要。

【杉岡秋美】

 現状では、国民が民営化で得られるべきであった、効率化の果実をあまり享受できていない。

 郵貯と簡保については、資金量と職員の規模をそのままに維持した民営化のため、組織と職員を養い、かつ株主に配当するだけのビジネス基盤を確保することが急務。

 資産の運用先を国債以外のものへ多様化も、資金量が大きすぎること、およびリスク管理のノウハウの蓄積が乏しいため、簡単にはいかない。

 投信販売ビジネスを大きく展開しているが残高は頭打ち。
 現場職員もコンプライアンスとノルマの間で苦労している。

 規模を維持したままでの民営化のコンセプトそのものの矛盾が現れている。
 この種の問題は今後さらに顕在化することが考えられる。
 (ということは、リストラをしろ、ということでしょうか?)

【津田栄】

 民営化後、企業向けシンジケートローン参加(先述の新日鐵向け融資のこと)や住宅ローンなどの融資など業務が拡大した。
 郵便業務ではサービスや利便性の改善が見られる。
 税収増が現実化し、国民負担は減った。
 預金・保険金等の資金は自主運用されることになって、融資業務に資金が使われるようになった。

 最近は外資系運用会社に委託して外債などへの投資を本格的に始める動きが出てきている(ただし、資金の9割は国内債券で運用されている)。

 各種手数料の値上げなどの利用者の負担増=民営化の波及効果の一つ。

 今後いずれ業績にあわせてリストラ等の合理化が進められるだろう。

 過疎地でのサービス低下、地域間格差の促進
  → 一層の過疎化と都市集中を進行させる=第2の波及効果

 資金量の多さから従来の民間会社を圧迫する恐れ、特定の民間企業との接近で民間での競争をかく乱する恐れ=第3の波及効果

 政治の機能不全を招いた=第4の波及効果
 2005年の総選挙による与党の絶対安定多数獲得から衆院の暴走 → 参院選の野党勝利 → ねじれ現象
 
    ↓

郵政民営化を争点としたことでもたらした政治の機能不全が、世界経済の急速な変化に対応できず、経済への悪影響を与え、再び閉塞感をもたらし始めていることが大きなデメリットの可能性

 2001年の財投改革から財政投融資制度が廃止され(前述の財投預託義務の解消されたことと同じことでしょう)た後もこの7年間、資金を自主調達できない特殊法人のために発行する財投債を郵貯・簡保が引き受ける義務が課されていた。
 今年度からこの義務が解除されたが、自主運営がどれだけできるのか、また乱高下する市場でリスクをとって資金運用を図れるのか、不安だ。

【土居丈朗】

 郵政民営化をはじめとする「構造改革」は、改革に伴う移行過程が生じて中長期的なコミットメントが必要であるにもかかわらず、現在それがなされていないために、改革反対派から骨抜き工作にさらされようとしている。
(移行過程とは、郵政でいえば2017年の完全民営化までの過程のことでしょうね)。

 また、いつ何時、後期高齢者医療制度のように国民からの批判が強まるか分からない。

 今後郵政民営化が、改革遂行の主がいなくなったとたんに骨抜きにされるようなことにならないように、国民の批判が高まっていないうちに、金融面での民間市場への悪影響を除去するとともに、リストラがさらに必要なところでリストラをきちんと行う形で、郵政民営化をより徹底させる必要がある。

 これにより、より多くの国民が郵政民営化の成果を享受できるようになる。

 *****

 以上識者6人の郵政民営化半年後の現状についての分析でした。ところどころに( )に入れて私の疑問等も挿入してます。

 こうしてざっと見ていきますと、ゆうちょ銀行、かんぽ生保が自由な金融市場でどれだけうまく資産運用して生き残れるかどうか、どうも不安が大きいようですね。

 業務の効率化・合理化、つまりリストラが必要だ、と認識している声が大きいのも気になります。

 特に最後の土居氏の論には、正直言って、読み終えて一気に疲れを感じてしまいました。
 リストラを行って民営化を徹底させろ、そうすればもっと多くの国民が民営化の成果に喜ぶことになる、という下りを読むと、少数者を犠牲にすれば多数のものが幸せになる、という理屈で、ああ、私とは哲学が違う、という思いと同時に怒りさえも覚えます。

 
 郵政民営化が完全民営化へと進むに従い、道はいよいよ険しく、ますますいばらの道になっていくように思われました。

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